第七十九話 夏の終わりでその四
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「やってたわ」
「だからそうした病気にならない為にもよ」
「そちらの知識は必要ね」
「それで備えもよ」
こちらもというのだ。
「ちゃんとね」
「普段からよね」
「しておくことよ」
「そうなの」
「それでお母さん鳴海君ならよ」
ここでまた彼の名を出すのだった。
「もうどんな子かわかってるし」
「ずっとうちにも来てるし」
「おやつやご飯も何度も食べてるしね」
そこまでの間柄だからだというのだ。
「もうね」
「鳴海っちならいいの」
「妊娠さえしなかったらね」
「病気は鳴海っちはね」
「大丈夫よ」
「そうよね」
かな恵もそれはと応えた。
「鳴海っちは」
「あんたレベルで奥手だからね」
「それ言ったら私もなのね」
「病気は大丈夫だけれど」
「知識は備えていることね」
「そうよ、ただ本当に妊娠は」
性病の心配はなくとも、というのだ。
「気をつけないといけないからね」
「それがなかったら」
「いいから。まあお父さんはどう言うかわからないけれどね」
「お父さんね」
「父親はこうしたことには五月蠅いものよ」
「お父さんでもなのね」
「父親は父親だからね」
このことは変わらないからだというのだ。
「だからね」
「それでなのね」
「もうね」
このことについてはというのだ。
「わからないわよ」
「そうなのね」
「まあ誰にも言うことじゃないし」
「そうしたことは」
「そうよ、わかるでしょ」
「恥ずかしくて言えないわよ」
眉を顰めさせてだ、かな恵は母に答えた。
「そんなこと」
「そうでしょ」
「誰と何したとか」
「その人とだけのことでしょ」
「もうね」
絶対にという返事だった。
「そのことは」
「誰だってそうだしね」
「そうよね」
「だからね」
それでというのだ。
「言わなくていいからね」
「そうよね」
「ただ気を付けることはね」
「気を付けて」
「それでよ」
「していくことね」
「そのことは覚えておいてね、それじゃあね」
母は娘にあらためて言った。
「鳴海君とよ」
「今度なのね」
「デートでも行ってきてね」
そうしてというのだ。
「会ってきなさい」
「そうするわね」
かな恵も頷いた、それで自分の部屋に帰るとすぐに彼に携帯でこの話をすると鳴海はすぐにだった。
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