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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第154話:一瞬を永遠に
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カリオストロがマリアに釘付けにされている頃、プレラーティは自力でガルドからの拘束を解いていた。錬金術で衝撃を発生させ、それにより体に巻き付いていた鎖を弾き飛ばす。
自由になったプレラーティに、拘束が無意味と知ったガルドは直接攻撃に切り替えた。マイティガンランスを振り回しプレラーティを責め立てるが、彼女は身長差と即座に展開できる障壁を使って彼の攻撃を巧みに躱していた。
「くっ! すばしっこい……!」
「ふっ! 所詮野蛮な魔法使い、力押ししか能がないワケダ」
「姑息な手しか使えないお前らに言われたくないな!」
「何を……!?」
互いに舌戦を繰り広げながら戦う2人。ガルドもまたプレラーティがヨナルデパズトーリを召喚する可能性を考え、彼女の集中力を乱す為こうして口先でも挑発していたのだ。普段の彼ならこんな言い方はしない。
マリアとガルドが錬金術師を相手取り、切歌と調がアルカノイズを始末していたその時、突如3人のギアがスパークしマリア達が苦痛に表情を歪める。
『適合係数、急激に低下ッ! まもなく、LiNKERの効果時間を超過しますッ!』
『ッ!? 司令ッ! ガルドの交戦地点に、滑走中の……!』
『航空機だとッ!?』
煙を突き破る様にして、ガルドとプレラーティが戦っている場所に一機の飛行機が接近してきた。その後ろには、飛行機を追い立てるように無数のアルカノイズが迫っている。
そこで漸くガルドは、今自分が居る場所が滑走路の真上だと言う事に気付いた。
「マジかよ、アクション映画じゃねえんだぞッ!?」
まさかこんな状況で尚飛び立とうとする機があるとは思っていなかった。一歩間違えば他の機体の残骸や流れ弾を喰らって大惨事となる可能性もあると言うのに。
いや、或いはこんな状況だからこそだろうか。座して死を待つくらいなら、一か八かに賭けて飛び立とうとする機長の考えも分からなくはない。
兎に角ここに居ると離陸の邪魔になる。即座にこの場を離れたいガルドだったがそうするとプレラーティを自由にしてしまう事になった。この状況で錬金術師を自由にしてしまえば、それこそ何をされるか分からない。
ガルドが悩んでいると、切歌と調の2人が飛行機の方へと向かって行った。そして追い立てているアルカノイズを減らしつつ、離陸を手助けしようとしている。
「こっちは私達に任せるデス!」
「ガルドとマリアは錬金術師をッ!」
「……よし!」
危険が伴うが、ここは2人に任せるしかないとガルドは力強い目をプレラーティに向ける。対するプレラーティは彼に呆れたような目を向けた。
「お人好しと言うか、馬鹿と言うか……無関係な連中など放っておけば……」
「お生憎様。こちとらそんな単純な性格してないんでね!」
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