第七十四話 おぢばのカレーその十
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私は新一君をあらためて見ました、そうしてどうかというお顔になって首を傾げさせてこう言いました。
「あります?」
「あるよ、千里ちゃんは感じないから」
「私そういうのは」
どうしてもです。
「感じないです」
「そうなんだね」
「はい、元々感じないですし」
オーラというものをです。
「それで今新一君を見ても」
「そうした人なんだね」
「何かあります?この子に」
「思いきりあるよ」
「そうなんですね」
見ても本当にわかりませんでした。
「この子には」
「そう、だから気付いたらね」
「私がですね」
「そうしたらいいよ」
「そうですか」
「そうしたら凄いことになるから」
「そうなんですね」
またこの言葉を出してしまいました。
「何かそう言われても」
「だったら阿波野君積極的にいく?」
「そんなの無理ですよ」
新一君は杉浦さんの言葉に慌てて返しました。
「僕には」
「そうだよね」
「今でも必死なんですから」
「その必死さ伝わってないよ」
「残念です」
「残念なのね」
そう言われても私にはわかりませんでした。
「新一君は」
「はい、かなり」
「そうなのね」
「あの、先輩こうして一緒にカレー食べていいですよね」
「いいわよ」
正直何を言ってるのかしらと思いましたがこう答えました、別に断る理由はないからです。それも全くです。
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