第百話 夏の終わりその六
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「お付き合いするならね」
「お互い一人よね」
「二人も三人もお付き合いする人とはね」
「お付き合い出来ないわね」
「それで私もね」
咲自身もというのだ。
「浮気はね」
「出来ないわね」
「そんなのはね」
咲は自分の倫理観から言った、彼女は浮気や不倫は間違っていると考えるタイプでそうしたことは嫌いであるのだ。
「出来ないわ」
「そうよね」
「それじゃあね」
「そうした人は無理ね」
「別に派手でも賑やかでなくてもいいのよ」
母に自分の恋愛観も話した。
「それでよ」
「そのうえでよね」
「ええ、二人でずっとね」
「一緒にいたいのね」
「それでいいでしょ」
母に問う様にして言った。
「恋愛って」
「二人でずっとね」
「平和にね」
「それお母さんもよ」
「同じ考えね」
「子供の頃はお姫様みたいにって考えてたわ」
「いや、お姫様って言ったら」
そう聞いてだ、咲は笑って言った。
「日本だとね」
「皇室の方々ね」
「東京は昔お姫様だらけだったっていうけれど」
「お殿様の娘さんはね」
「皆お姫様だから」
「お大名以外にね」
彼等の家だけでなくというのだ。
「旗本の人達のお家でもね」
「娘さんはお姫様ね」
「そうだったから」
それでというのだ。
「東京はね」
「昔はね」
「江戸時代はね」
この頃はというのだ。
「お姫様一杯いたわ」
「そうよね、けれど今は」
咲はあらためて現代の話をした。
「日本のお姫様って」
「皇室の方々ね」
「皇室の方々のお暮らしってね」
「大変よね」
「自由なんて全くないじゃない」
咲ははっきりと言った。
「食べるものだってね」
「何でも決まってるわ」
「ちょっとしたことで注意されるし」
「宮内庁の人達に」
「しかも贅沢だってね」
「出来ないわよ、日本の宮内庁の予算なんてよ」
それこそとだ、母も言った。
「北朝鮮の将軍様の贅沢費よりもよ」
「少ないのよね」
「北朝鮮の予算なんてね」
「日本よりずっとよね」
「少ないのよ、その国家予算から二割をね」
それだけというのだ。
「将軍様一人のね」
「贅沢に使ってるのね」
「その予算よりもよ」
「日本の皇室の予算って少ないのよね」
「ずっとね」
母は確かな声で答えた。
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