第百話 夏の終わりその三
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「実際にね」
「そういうことね」
「ええ、本当に残暑の時に」
間もなく来る時にというのだ。
「思いきり降ってくれたら」
「いいのね」
「有り難いわ」
まさにというのだった、ここでも。
「そう思ってるわ」
「降ればいいわね」
咲もここまで聞いて思った。
「実際に」
「そうでしょ、咲も」
「そう思うわ」
「もう暑いのはね」
「充分よね」
「お盆を過ぎたら」
そうなればというのだ。
「もうよ」
「涼しくなって欲しいのね」
「そういうことよ」
「そうなのね」
「暑さ寒さも彼岸までっていうけれど」
それでもというのだ。
「お母さんとしてはね」
「お盆が終わったら」
「もうね」
それでというのだ。
「それでいいわ
「夏の暑さは」
「そういうことよ」
「それ言ったらね」
「咲もでしょ」
「せめて扇風機ないと」
さもないと、というのだ。
「嫌よ」
「そうなるでしょ」
「夏自体そうで」
この季節はというのだ。
「それでね」
「そこは親子だからね」
「そうなるのね」
「そうよ、早くね」
「雨が降って」
「涼しくなって欲しいわ」
母は心から思って言った。
「待ち遠しいわ」
「本当にそう思ってるのがわかるわ」
「咲にしてもでしょ」
「ええ、それで私もね」
「同じね」
「夕方にゲリラ豪雨でも降って」
そうしてというのだ。
「街がね」
「一気に冷えて欲しいわね」
「そうしたら本当にそこから過ごしやすくなるから」
「後はもう秋よ」
「そうなるしね、秋はいいわね」
咲はまだ夏だがそれでもこの季節のことを思った、そして実際に待ち遠しいと思いつつ母に話した。
「涼しくてね」
「寒いってところまでいかなくてね」
「九月や十月はね」
「本当にいいわね」
「読書やゲームにもいいしね」
「読書の秋って言うしね」
「芸術の秋とかね」
咲はさらに言った。
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