第十八話 秘密その十一
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「まさかね」
「いや、神威君の関係者とは思いませんでした」
征一狼が応えた。
「そうですよね」
「ええ、運命なのかしらね」
火煉は考える顔になって応えた。
「これもまたね」
「そうかも知れないですね」
征一狼も否定しなかった。
「僕達が先程この教会であの人にお会いしたことは」
「そうね、かなりのことを知っているわね」
「間違いなく」
「時間は聞いたわ」
確かな声でだ、火煉は述べた。
「だからね」
「あの時間にですね」
「私達が桃生神社に行けば」
その時はと言うのだった。
「多くのことがわかるわ」
「そうなりますね」
「それで今から丁様の前に行くけれど」
「もうその時にですね」
「聞くことになるかも知れないわね」
「あの人から」
「ええ、けれど時鼓さんのことはね」
彼女のことも話すのだった。
「丁様にはね」
「お話しますね」
「そしてね」
「そのうえで、ですね」
「ええ、丁様にも聞きましょう」
彼女にもと言うのだった。
「剣のことはね」
「そうしますね」
「それでわかるかも知れないし」
「では今から」
「行きましょう」
丁がいる議事堂にとだ、こう話してだった。
天の龍の者達は議事堂に向かった、そのうえで丁に時鼓のことを話してそうしてだった。
彼女に剣のことを聞いた、だが丁は悲しそうな顔で目を閉じてそのうえで天の龍の者達に対して告げた。
「今わらわからはです」
「言えないですか」
「まだその時ではありません」
それ故にと護刃に答えた。
「そしてその女性からです」
「聞けるんですか」
「はい、わらわも後で話すつもりでしたが」
「このお話は」
「彼女から聞いて下さい、ただ」
「ただ?」
「惨いことになります」
目を閉じたままの言葉だった。
「そのことは覚悟しておいて下さい」
「惨いことですか」
「そうなります」
こう言うのだった。
「その時は、そして」
「そして?」
「七人目、最後の天の龍のことですが」
丁はこのことは自分から話した。
「わかりました」
「誰でしょうか」
嵐が尋ねた。
「その人は」
「皇昴流」
丁はこの名を出した。
「皇家の主である」
「あの陰陽師の」
「彼です」
「やはりそうでしたか」
嵐は丁のその話を聞いて確かな顔で応えた。
「あの人もまた天の龍でしたか」
「彼は今東京を離れ」
昴流のことをだ、丁はさらに話した。
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