第十八話 秘密その九
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「神社やお寺と同じでね」
「やっぱり宗教関係なそうなりますね」
「ええ、それでね」
「火煉さんが働いておられる教会でも」
「毎日人が来てくれてね」
「その数は多いですね」
「ええ、けれど」
それでもと言うのだった。
「今回はね」
「縁を感じるんですね」
「私だけじゃなくて」
ここでだ、火煉は。
その目を鋭くさせ笑みを消してだ、護刃に話した。
「私達全員にね」
「天の龍にですね」
「皆に縁を感じるから」
だからだというのだ。
「そろそろ来られる時間だし」
「それじゃあ」
「神父様もおられるけれど」
教会にはというのだ。
「寄りましょう」
「それじゃあ」
「まさか」
嵐は直感的に感じて言った。
「その人は」
「剣と関係があるかも知れないですね」
征一狼も真剣な顔で応えた。
「そうですね」
「はい、そうかも知れないです」
「ではですね」
「教会に行きましょう」
火煉が勤めているそこにというのだ。
「今から」
「僕達全員で」
「そうしましょう」
「丁様にお聞きするのもいいですが」
喫茶店で話して決めた通りにというのだ。
「ですがすぐ傍といいますし」
「それならですね」
「ここはです」
「一度教会に寄って」
「そこからです」
「議事堂にですね」
「行きましょう」
「それでは」
「はい、これより」
こうした話をしてだった。
神威と天の龍の者達は火煉が普段勤めている教会に寄った、そこに入ると礼拝堂の前に赤い服を着た色白で顎の形がいい黒く長い髪の毛の妙齢の美女がいた、見れば眼鏡が非常に知的でよく似合っている。
美女は一行を見てだ、笑みを浮かべて言った。
「嬉しいわ、皆揃って来てくれるなんて」
「皆?」
「ええ、天の龍のね。それにね」
美女は神威も見て言った。
「神威、貴方もいるなんて」
「俺を知っているのか」
神威は女が自分の名前を言ったのを受けて身構えて声を出した。
「あんた何者だ」
「警戒することはないわ、私は貴方の身内よ」
「身内?」
「そうよ、貴方のお母さん、司狼斗織の妹よ」
「何や、それやと神威の叔母さんか」
空汰は恩あの言葉を聞いて少し驚いた顔になって言った。
「そうなんか」
「そうなるわね」
女も否定しなかった。
「この場合は」
「神威にそんな人がおったなんてな」
「俺もはじめて知った」
神威もこう言った。
「母さんに姉妹がいたなんて」
「そうやったんか」
「今まで天涯孤独だと思っていた」
自分の母はというのだ。
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