第一章
[2]次話
激レアカードの価値
北条卓也は子供が遊ぶカードゲームを売っているカードショップの店長をしている、黒髪をショートにしていてやや面長の顔で眼鏡をかけている、朴訥とした感じの顔で背は一七〇程で地味な外見である。
その彼にだ、姉で結婚して家庭を持っている西川冬美は言った。
「子供の頃からね」
「俺カードで遊んでるから」
「お仕事もそれになったわね」
「高校からバイトしていたから」
卓やは冬美に言った、姉は黒髪を長く伸ばしていて卵型の顔に切れ長の大きな目と引き締まった唇に形のいい鼻と眉を持っている、背は一六六位でスタイルもいい。
「それで大学でも続けて」
「卒業してそこに入社して」
「店長さんになったわね」
「そう」
「いや、働いているのはいいとして」
姉は弟に言った。
「カードって皆やるのね」
「俺みたいにね」
「子供ってああいうの好きよね」
「それ言ったら姉さんの」
「ええ、昭雄もよ」
冬美はサラリーマンをしている夫の彰との間に生まれた息子で小学生の彼のことを話した、明るい顔立ちでやや茶色がかった短い髪の毛で高い鼻を持つ彼は父親そっくりである。
「あの子もね」
「カード好きだね」
「だからね」
それでというのだ。
「子供ってそういうの好きってね」
「思うんだ」
「あんたが子供だった時からね」
「そうなんだ」
「あの子今度あんたのお店に行きたいって言ってるから」
姉は妹にこうも言った。
「だからね」
「その時はだね」
「あの子宜しくね」
「それじゃあ」
姉弟でそうした話をした、そしてある日曜にだった。
昭雄が父親に連れられて店に来た、すると昭雄はお店の中にあるカード達を見て目を輝かせて父に言った。
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