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星河の覇皇
第八十四部第一章 梟雄の復活その七

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「そうしてな」
「そうですね、流れるみたいに」
「流砂だな」
「俺達は砂ですか」
「アッラーが動かされる世界の中のな」
 艦長は自分達の信仰の話もした。
「そうしたな」
「偉大なアッラーから見れば」
「砂粒の様なものだ」
「小さいものですね」
「実にな、だからな」
「国から国にですね」
「人は移ってな」
 艦長はさらに話した。
「軍人もな」
「移っていきますね」
「流れていく様にな」
「そうですね、そしてティムールが滅べば」
「俺達はオムダーマンに入ってな」
「統一されたサハラで、ですね」
「軍人として生きていくことになるな、こう考えるとな」
 どうかとだ、艦長はさらに話した。
「別に負けても深刻にはな」
「考えることはないですか」
「死ぬことにしてもな」
 こちらのこともというのだ。
「アッラーのお考えでそうならな」
「戦場で死ねば天国に行けるので」
「何もだ」
 それこそというのだ。
「一切だ」
「不安に思い士気が落ちることはないですね」
「色々割り切るとな、だが」
「それは、ですね」
「やはり中々出来ないな」
「アッラーの信仰を踏まえても」
「戦死する、死ぬことは恐ろしい」
 本能的に死への恐怖は存在しているというのだ、これは信仰を持っていても相当なものでないとそうなってしまうものだ。
「やはりな」
「そうですね」
「それに国が亡ぶこともな」
 自分達がいるその国がというのだ。
「やはりな」
「避けたいと思いますね」
「全ていい、生きられると達観するなら」
 それならというのだ。
「それは最早だ」
「何かが違いますね」
「世捨て人の様だ」
 そこまでになっているというのだ。
「いい意味でのな」
「達観を極め」
「人は中々そうはなれない」
「そうですね」
「その国への愛着があり」
「軍にも」
「そして命もな」
 このことを最後に置いて話した、やはりそれだけ命というものは重いものとサハラでも考えられているのだ。
「やはりな」
「どうしてもですね」
「大事に思うのは自然だな」
「はい」
 確かにというのだ。
「そのことは」
「だからな」
 それでというのだ。
「このことはな」
「そもそもですね」
「普通の人間なら思わない」
「我々にしても」
「そう考える人間は軍隊にはな」
「向いていないですね」
「そもそも入隊してもな」
 徴兵なり何なりでだ。
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