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お嬢様学校の中で
第二章

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 牧子は何時の間にかお嬢様ということになった、しかし本人はそんな筈がないと思っていた。しかし。
 一学期が終わり部活のテニス部中学からしているそれで夏休みも毎日の様に学校に通っているとだった。
 二学期にはだ、その牧子も。
「あんた変わったわね」
「そうでしょうか」
「喋り方からしてね」
 中学からの同級生は九月のはじめに牧子に会って言った。
「もうね」
「違いますか」
「仕草も落ち着いて上品になって」
 次にそちらの話をした。
「それで外見もね」
「変わりました?」
「制服も何か奇麗だし」
 埃が付いておらずアイロンまでかけられている。
「メイクも上品で」
「校則を守っていまして」
「何処からどう見てもお嬢様よ」
 今の牧子はというのだ。
「最初は物凄く浮いてるって言ってたのに」
「それがです」
「変わったのね」
「自分でも思います」
 その様にというのだ。
「最初はどうなるかと思いましたが」
「校風に染まったのね」
「はい、いい学校ですよ」
 学校の中で誰もが使う口調でクラスメイトや先輩達の仕草で話した。
「とても」
「それでお嬢様になったのね」
「皆さんを見まして」
「そうなのね、いや何処にいてもね」
 それでもというのだった。
「そこに入ればそこの人になるのね」
「そうですわね、では私はです」
「高校三年なのね」
「あの学校で学ばせて頂きます」
 上品な笑顔で言った、そしてだった。
 牧子は高校の三年間お嬢様となり大学もそうした学校に通った。就職は母校の教師となった。そして生涯上品で礼儀正しかったが。
 実家のホルモン屋では浮いていた、しかし店は地元の高校に入った妹が継いで問題はなかった。それでも実家にいると落ち着くと帰る度に言っていた。


お嬢様学校の中で   完


                    2023・5・25
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