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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
人間とドラゴン
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・・・ドラゴンの時代が終わったこの世界で人間として生きてゆきたいと・・・ただ・・・そんな世界を創るには、イグニアとビエルネスは邪魔なの。あの二人は人間を理解する気がない。だからその兵器がほしかった』

その声は明らかに怒りの感情を宿していた。二頭のドラゴン・・・ビエルネスはいまだにどのようなドラゴンなのかもわからないが、イグニアはかなり好戦的で今回の迷宮にも絡んできたらしい。ただ、それを聞いてもエレフセリアさんは納得しかねていた。

「ならば月神竜セレーネはもう人を殺さぬというのか?」
『私に危害を加えてこない者にはな』
「危害を加える者は殺すのか?」
『当然だろう、私とて自分の身は守りたい。何か間違ったことを言っておるか?』
『いいえ、当然の権利かと・・・』

セレーネの言葉にミサキさんが返答する。ただ、まだエレフセリアさんは彼女のことを責めている。

「人は人をたやすく殺さん・・・」
『そうなのか?』
『ま・・・それも一理ありますね』
『ならば善処しよう』

人としての気持ちはわかっているとは言えないセレーネだけど、それでもその違いに付いていけるようにと変えるつもりはあるらしい。ただ、エレフセリアさんはまだ難しい顔をしていた。

『他には?』
「ビエルネスとイグニアの居場所を教えよ・・・」
『知らぬ。他には?』

二頭のドラゴンは誰も居場所がわからない。こう考えるとエレフセリアさんの心臓があればと感じてしまうが、もうそんなこと言っても意味がないし考えるだけ無駄だ。

「今まで殺してきた人間に謝罪せよ!!ワシの友もいた!!大切な仲間たちに!!」

鬼のような形相で叫ぶエレフセリアさん。それにセレーネは即答はしなかった。

「エレフセリア様・・・」
「わかっておる!!わかっておるんじゃ!!そんなものに意味がないことくらい!!セレーネだって生きるためにやってきたこと!!我々だって生きるために動物を殺す!!わかっておるんじゃ!!
ただ・・・100年もの間ドラゴンに敗れ倒れていった友の顔が忘れられぬ!!ワシの方が間違っていると理解しておるのに忘れられぬのじゃ!!」

涙ながらに自身の想いを叫ぶエレフセリアさん。そんな彼に心を動かされたのか、セレーネは口を開いた。

『謝罪しよう』
「よせ!!ワシが惨めになる!!謝罪などーーー」
『すまん』
「・・・は?」

彼女の軽すぎる謝罪に息を飲んでいた俺たちは絶句してしまった。とても命を奪ったものの謝罪とは思えぬ謝罪に、気を張っていたエレフセリアさんは笑いが止まらない。

『私の謝罪・・・何か間違っていたのか?』

問われたであろうミサキさんも何も言うことができずにただただ沈黙が流れる。すると、笑いが収まってきたエレフセリアさんも口を開い
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