人間とドラゴン
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に突っ込んで問いかけるナツさん。そんなことしなくても聞こえているとは思うけど、彼はそのまま先程のハクのように泳ぎ出そうとしているようにも見えた。
『五神竜を倒すための兵器・・・私はそれをずっと探していた』
『ミミたちもそれに賛同していたの?』
『あやつらはエレンティアでの兵力に過ぎん。ちなみにゲートを使って脱獄させといてやったぞ』
脱獄させたってことは今頃エレンティアの警備隊は大騒ぎだろうな。彼女たちがどこに逃げたのかにもよるけど、下手したらずっと見つけられないわけだし。
「あれ?ナツどこ?」
その話の最中、先程から今にも泳ぎ出しそうになっていたナツさんの姿が見えなくなる。退屈な話になると思って上がってしまったのかな?彼らしいといえば、彼らしいけど。
『皮肉なことに、その力はこの世界にあった』
『それがあの大迷宮に?』
『正確には《大迷宮に封じられた法竜の心臓がその場所を知っていた》』
『でも心臓は土神竜に壊されてしまったんですよね?』
『結局・・・その力の場所はわからずじまいってことね』
フェイスやエーテリオンに並ぶような魔法があるのかと考えると正直怖い。でも、それがあれば他の五神竜を倒せるというのはなんとも皮肉な話だ。
『エレフセリアさんなら、その力の場所を知ってるってこと?』
「残念ながらワシは知らん」
いつの間にか俺たちと一緒に入浴していたエレフセリアさんが答える。俺とウェンディが治療したこともあり、彼の傷もすっかり塞がっているようだ。
「まさかこうして五神竜の一頭と話をする時が来ようとは・・・」
『同感ね。私もあなたと話をする時が来ようとは・・・』
双方共に仲間を殺されたことを根に持っているようで言葉しかわからないはずなのに、まるで二人がにらみ合っているような錯覚に陥る。ここは少しでも緩衝材になった方がいいかな?
「人間とドラゴンの戦いは400年前に終わったはずじゃなかったんですか?」
『お互い様ってことでしょ?エレフセリア』
「そんな言葉で納得できるか!!」
『だったら!!人間だけがドラゴンを殺していい理由はなんなの!?』
気を使ったつもりだったけど、逆に火に油を注いでしまい顔から血の気が引いていく。すると、なぜかこの状況でルーシィさんの笑い声が響いてくる。
『おい・・・笑うところかこのメスガキ・・・』
『ち・・・違うの!!ごめんなさい!!あははは!!誰かが足をくすぐってて・・・やめんかー!!』
その大声と共に水の音がしたかと思うと、なぜかナツさんの声がルーシィさんたちと同じような形で聞こえてくる。どこかにいったのかと思っていた彼は、お湯のなかを潜っていき、女湯へと入ってしまったらしい。
『きゃーっ!!』
『こ・・・この変態がーっ!
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