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八条学園騒動記
第七百話 工作員の表の仕事その三

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「忍者もな」
「よく出ますね」
「私は子供の頃からだ」
「忍者を見ていて」
「恐ろしい怪物の様にだ」
「思われていましたか」
「普通の人間でなくな」
 忍者はというのだ。
「不思議な妖術を使う」
「そうした者達とですか」
「思っていた」 
 そうだったというのだ。
「私はな」
「そうでしたか」
「それで忍者が自分の前に出て来たらな」
 その時はというのだ。
「戦い勝つつもりだった」
「そう思われていましたか」
「子供の頃はな、民を害するならな」
 エウロパの創作では忍者は無辜の民衆を忍術で襲いもする、そして忍術は妖術と誤解されているフシがある。
「民を護ってだ」
「戦われるおつもりでしたか」
「そうだった」
 幼い頃はというのだ。
「まさにな」
「そうでしたか」
「貴族は何の為に存在するか」
 大尉は上等兵に問うた。
「私は騎士で爵位がなくな」
「そして領地もですね」
「ないが」
 それでもというのだ。
「貴族であることはだ」
「変わらないですね」
「そして貴族はな」 
 この階級にあるならというのだ。
「何の為に存在しているかというとな」
「民と国を護る為にですね」
「そうだ、善政を敷きな」
 民の為にというのだ、尚貴族達はそれぞれの領地では言うなら立憲君主の状態であり議会とそれぞれの領地の政府が政治を行いサインをするだけとなっている。
「ことがあればな」
「有事になれば」
「その時はな」
 まさにというのだ。
「剣を手に取る」
「そのうえで戦い」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「エウロパも民達もな」
「護りますね」
「私もそう教えられてきた」 
 大尉は強い声で話した。
「父上母上からな」
「貴族としてですね」
「そして忍者共もな」
 その彼等がというのだ。
「エウロパに来てもな」
「忍者と戦われるおつもりでしたか」
「如何に忍者が強かろうとも」
「それでもですね」
「騎士として戦い」
 エウロパ軍人特に士官にある者は騎士道精神を貴んでいる、それで大尉も念頭に置いているのである。
「そしてな」
「退けるおつもりでしたか」
「そうだった」
 子供の頃はというのだ。
「今となっては笑い話だが」
「忍者はいてもですね」
「今はもう武道だな」
「忍術は」
「スポーツではなくな」
「日本では格闘技の一部をそう呼びますね」
「そうだな、剣道や柔道はな」 
 こうしたものはとだ、大尉も答えた。
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