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神々の塔
第十八話 文化的英雄その十

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「生前はな」
「そやったんか」
「それでタイ=カップさんから嫌われてたらしい」
「人種的偏見の強いあの人からやな」
「そやったらしいな」
「そうやってんな」
「けどな」 
 それでもとだ、リーはさらに話した。
「あの人は今言うた通りな」
「白人やったな」
「人種的にはな」
「そやってんな」
「それで後でハルク=アーロンさんがホームラン記録抜いたが」
 ベーブ=ルースのそれをだ。
「黒人が抜くなってな」
「文句言うアホがおってんな」
「そやった」
 それでアーロンに脅迫の手紙を送る輩すらいた。
「これがな」
「そんなん関係ないやろ」
 メルヴィルは嫌そうに言った。
「凄い人は白人でも黒人でもな」
「凄いか」
「白人の中でも差別あったしな」
「ああ、アメリカではな」
「ドイツ系も差別されてた」
 ルースのルーツであるこちらのアメリカ人もというのだ。
「一次大戦の時な」
「ドイツは敵やったからか」
「それでアイルランド系もな」
「差別されてたんやな」
「宗教のこともあってな」
「アイルランドはカトリックやからな」
「長い間アメリカはプロテスタントが主流やった」
 メルヴィルはこのことも話した。
「WASPっていうんはな」
「白人でアングロサクソンでプロテスタントやな」
「その三つでな」
「アイルランド系は白人でもやな」
「ケルトでな」
 民族的にそうでとうのだ。
「カトリックでな」
「差別されてたんやな」
「同じ理由でイタリア系もな」
「差別されてたな」
「そこからマフィアも出た」
 イタリア系への差別からというのだ。
「そうなった」
「それも歴史やな」
「アメリカのな」
「今はアーロンさんも英雄やが」
 トウェインも言ってきた。
「ほんまな」
「黒人でやな」
「色々言うモンもおった」
「そやねんな」
「結局人種で決まるもんは何もない」
 リーは言い切った。
「能力はな」
「そやな」
 中里もそれはと頷いた。
「ルースさんにししてもそやし」
「アーロンさんもな」
「偉大なことは同じやし」
「ほんまな」
 それはというのだ。
「決まらん」
「その人の才能と努力次第やな」
「そや、しかしな」
 ここでリーはこうも言った。
「たまにバケモノは出るな」
「人種に関係なくな」
「それはあるな」
「それな、起きた世界で大谷さん見てるとな」
 施はバケモノと聞いて彼の名前を出した。
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