第七十八話 ホテルのカレーその九
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「それで余裕があったら」
「カレーもなのね」
「食べよう」
「それじゃあ」
四人共かな恵の言葉に頷いた、そしてだった。
今食べているものを食べ終えると五人共まだ余裕がある感じだったので実際に少しずつだがカレーも食べてみることにした。
それぞれご飯を少しよそってだ。
そこにルーをかけて食べる、ルーは辛口に中辛それに甘口があり五人共中辛にしたが口にするとだった。
「あっ、これは」
「いけるわね」
「美味しいじゃない」
「あれだけ食べたけれど」
「まだ食べられるわ、この味だと」
五人で言った、そして特にだった。
一華は目を輝かせてだ、こう言った。
「私の好みにぴったりよ」
「一華ちゃんとしてはなの」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「今日はたまたまなのかしら」
かな恵にこう言ったのだった。
「ビーフカレーはね」
「なかったわね」
かな恵もそれはと応えた。
「そういえば」
「やっぱりそれって」
一華は考える顔で述べた。
「インドとかね」
「牛肉駄目だしね」
「それでポークカレーでもなかったけれど」
「豚肉もね」
かな恵は考える顔で応えた。
「ムスリムの人がね」
「食べられないから」
「その辺りを配慮して」
それでというのだ。
「ことカレーもね」
「気を使ってるのね」
「そうじゃないかしら」
「ここ国際的なホテルで」
「お客さんも世界中から来るから」
「だからなのね」
その為にというのだ。
「どうしてもね」
「宗教的なことも考えて」
一華にカレーを食べつつ話した、そのカレーはマトンカレーである。
「それでね」
「そうしたことも気を使ってるのね」
「若しヒンズー教徒の人にビーフカレー出したら」
「怒られるわね」
「そうなるしね」
「それで豚肉もね」
一華も言った。
「ムスリムの人達が食べられないから」
「そうよね」
「まあムスリムの人達は寛容な宗教だから」
コーランでもアッラーはそう簡単には怒らない、旧約聖書の神そして同じ登場人物の物語とは思えない位だ。
「豚肉も実は」
「カツ丼とかね」
「食べてるけれどね」
「アッラーに謝罪してからね」
「その辺りはね」
イスラム教はというのだ。
「機転が利いていて」
「面白いのよね」
「そうそう」
「けれどどうしてもね」
「戒律で禁じられているから」
その為にというのだ。
「進んで出すことはね」
「駄目なのよね」
「それで食べろって出したら」
「怒るわよね」
「嫌がらせかってね」
「あれよね」
富美子はカレーを食べつつ考える顔になって言った。
「豚肉って傷みやすいから」
「それであたるからね」
一華も応えた、これはユダヤ教からのことである
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