神聖なる英雄像
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「コラ、テメー!何だこの仕打ちは!?」
リュカはサマンオサ王が居る会議室へ乗り込むと大声で怒り出す。
城門で…
入口で…
城内で…
会議室前で…
全てで取り敢えず待つ様に言われながらも、番する兵士を押し退けて無理矢理乗り込むリュカ。
そして国王を見つけるなり大不敬罪!
「リュ、リュカ殿…!?ど、どうしたのですかな?」
いきなりの事に呆気にとられる王様…
「どうしたじゃねー!何だこの絵は!?僕の事をバカにしてんのか?」
リュカは美術店から借りてきた2枚の絵を見せ怒鳴りつける。
「おぉ…良く描かれた絵だろ!ワシも何枚か持ってるが、どれも気に入っているぞ!」
周囲には大臣等のお偉いさんが多数居るが、そんな事を無視してリュカと国王は会話を続ける。
「何が『お気に入り』だ!このモチーフは僕だろ!バカにしているとしか思えないぞ!作者を呼べコノヤロー!説教してやる!!」
リュカの気迫に押されるまま、一連の絵の作者『フィービー』を呼び寄せるサマンオサ王。
フィービーを待つ間、会議室にはリュカの怒気が充満する。
「…リュ、リュカ殿…何をそんなに怒っているのだ?」
重要な会議中であったのだが、救国の英雄が怒りを露わに乗り込んできた為『話は後で聞く』等とはとても言えず、ただ黙って待つしかない大臣達…
そして、それに気付いた国王が、恐る恐る尋ねたのだが『作者が来てから話す!』と言われ、やはり黙って待つ事しか出来なくなる。
そして待つ事15分…
「あ、リュカ!私の事を呼んだって本当!?私もリュカに逢いたかったから、すごく嬉しいわ!」
そこに現れたのは、リュカ等がサマンオサに初めて訪れ、リュカの財布をスろうとし、逆に捕らえられた浮浪児の少女フィービーだった。
「お、お前がこの絵を描いたのか?」
彼女が現れるとは思わなかったリュカは、驚きながら2枚の絵を見せ問いかける。
「そうよ!私のリュカに対する思いを、絵に表現してみたの。結構良く描けてるでしょ。サマンオサでは人気があるのよ」
今では小綺麗な恰好をしている彼女は、世間一般から見ても可愛く、世の中の男性が放っておかない容姿であり、そんな彼女が可愛くウィンクをすれば、会議室に居る若めの文官達には鼻の下を伸ばして見とれてしまうのだが…
「ふざけんな、バカにしてるとしか思えないぞ!」
しかしリュカには効果が無く、しかも怒られてしまい戸惑うフィービー。
「な、何で怒ってるの…?わ、私は…リュカの事を尊敬して描いたのよ!?バカになんてしてないわ!」
訳も解らず怒られ、涙目になる少女…
「………分かった…説明するから座りなさい」
流石のリュカも、フィービーに泣かれたじろいだ。
何処ぞのバカ男が、商魂フルスロットルで描き上げた物だったら、リュカもたじろぐ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ