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第十八話 秘密その六

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「そしてその火がだ」
「沖縄での神威ちゃんのお家になのね」
「及んでな」
「それでお家が燃えたのね」
「そこで母さんが寝ていてな」 
「おばさんが、それじゃあ」
「その時に母さんは死んだがその時にだ」
 まさにというのだ。
「母さんは俺に教えてくれた」
「天の龍と地の龍のことを」
「それで俺は東京に戻ってきた」
「そうだったのね」
「ああ。しかし母さんはこうも言っていた」 
 神威は深刻な顔でこうも話した。
「今死んだことは偶然でなくな」
「まさか」
「運命だとな」 
 小鳥に強い声で答えた。
「そう言っていた」
「そうだったの」
「そしてだ」
 そのうえでというのだった。
「本来なら生み出す筈だったという」
「生み出す?」
「それが何か俺が聞こうとしたらな」
 その時にというのだ。
「母さんはこと切れた」
「火事の時の怪我で」
「そうなった、だから何を生み出すのか」
 それはというと。
「俺もだ」
「わからないのね」
「ああ、本来ならそれを生み出してな」 
 そうしてというのだ。
「死ぬ筈だったとな」
「言っているか」
「そうだったが」
「何を生み出すのか」
「それがな」
「わからないのね」
「今もな、そもそもだ」 
 神威は真剣な顔のまま言った。
「母さんは何故知っていたんだ」
「天の龍と地の龍のことを」
「それをな」  
 まさにこのことをというのだ。
「どうしてなんだ」
「叔母さんご存知だったの」
「ああ、だからだ」
「神威ちゃん東京に戻ってきたのね」
「それまでこのことは考えてなかったか」
「どうしてかしらって思ったけれど」
 それでもとだ、小鳥は神威に顔を向けて答えた。
「それよりも嬉しい、それでどうして距離を置くのか」
「そのことをか」
「考えてばかりで」
 その為にというのだ。
「あまりそこまではね」
「そうだったか」
「そういえば神威ちゃんもね」
「少しでもな」
「何か知ってたわね」
「ああ、東京に戻ってな」
 そうしてと、とだ。神威は小鳥に答えて話した。
「そしてな」
「天の龍と地の龍の」
「はっきりとは言われなかったが」
「叔母さんに言われたの」
「亡くなる間際に」
 母、彼女からというのだ。
「運命に向かえとな」
「言われて」
「そして戻って来た」
「そうだったのね」
「そしてどういうことかわかった」
 東京に戻ってというのだ。
「はっきりとな」
「そうだったのね」
「完全に教えてくれたのは姫様だったがな」
「確か丁さんっていう」
「天の龍を束ねるな」
「その方からなのね」
「教わってな」
 そうしてというのだ。
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