第十八話 秘密その三
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「しかしです」
「それがか」
「お父上は命を落とさなかったので」
「運命は絶対とはか」
「疑問を持つ様になっています」
「あんたもそうか」
「はい、そして」
牙暁は再び目をうっすらとだが開いてそのうえで封真に話した。
「貴方もそう思われるのなら」
「小鳥をか」
「何があっても己を失わず」
そうしてというのだ。
「護ってあげて下さい」
「そうする、そして神威もな」
「彼もですね」
「必ずそうする、俺達はお互いにだ」
「護り合い」
「小鳥もな」
彼女もというのだ。
「そうする」
「そうですね、期待しています」
「俺達のことをか」
「僕は絶望していました」
また目を閉じてだ、牙暁は話した。
「かつて友人の死を見まして」
「その時にか」
「はい、運命は変わらず」
そしてというのだ。
「死ぬべき人は死ぬと」
「そして殺される命はか」
「殺されると」
「それが運命だとか」
「絶対のものとです」
まさにというのだ。
「思っていました、ですがそれがです」
「揺らいでいるんだな」
「そうなっています、ではその揺らぎをです」
「俺達にか」
「お願いします、そして運命を変え」
「人間もか」
「そして地球もです」
その両方をというのだ、そして。
ここで、だ。牙暁は。
自分の心のある部分を閉じ込め隠した、夢の中では嘘を言うことが出来ないどうしても真実を言ってしまうのでこうしてから封真に話した。
「あの人もお救い下さい」
「あの人?誰だ」
「やがてわかります」
これが今の牙暁の返答だった。
「そのことは」
「そうなのか」
「そのこともお願いします、そして」
「そのうえでか」
「戦われて下さい、僕の見た運命をです」
「変える為にだな」
「お願いします」
「わかった、その時は近い」
封真は俯き気味だが確かな声で約束した。
「ではな」
「期待していいですね」
「それに応える」
封真は再び約束した。
「必ずな」
「ではその時にまた」
「ああ、またな」
「お会いしましょう」
夢の中での会話は終わった、そしてだった。
封真は起きると日常の生活に入った、それは誰が見ても何の変哲もないものであった。
封真が夢で牙暁と話をしたその夜天の龍の者達は集まって話をしていた。場所は議事堂の別室である。
空汰達の話を聞いてだ、征一狼は言った。
「そうですか、あの剣のことは」
「はい、何もです」
空汰は申し訳なさそうに話した。
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