285 ならば強くなれ
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かよ子は藤木を追い続けていた。その時、二人の人間が手を振っていた。
「おーい、かよちゃん!」
りえの友達の鈴音とみゆきだった。
「す、鈴音ちゃん、みゆきちゃん・・・!!」
「さっき大きい鳥に男子が一人乗ってたけどあれってかよちゃんが探してる男子だったかな?」
「鳥に乗った男子・・・!!」
かよ子は先程藤木が大きい鳥に乗って逃げていった事を思い出した。
「やっぱり藤木君だよ!ありがとう!」
かよ子は再び羽根に乗って飛ばした。一方鈴音やみゆきは次郎長の子分やのり子、阿弖流為や母禮などと共に殆ど敵を殲滅していた所だった。
「あ、りえちゃんが何処にいるのか聞くの忘れちゃった・・・」
鈴音はすっかり忘れてしまった。
「私が確認しようか?」
のり子がその場に現れた。
「できるの?」
「ええ、私のキャロラインが探してくれるわ」
のり子が抱えていた人形が宙に浮いて探知した。
「・・・、安藤りえちゃんは・・・」
人形の目が開いた。
「戦争主義の世界の長と一緒だわ!」
藤木の目の前に高校生男子が飛来した。その男子は鎖鉄球を持っていた。
「久しぶりだな、藤木君」
「まさか、僕を元の世界に連れ返そうと・・・!?」
「安心しろ、俺の獲物は君じゃない。俺は君のクラスメイト・山田かよ子ちゃんの知り合いだ」
三河口はそのまま話を続ける。
「九月の高校の文化祭は来てくれてどうもありがとう。まだお礼をしてなかったね」
(こ、この人は何を言いたいんだ・・・?)
「君がこの世界に来た理由はかよちゃんとか君の好きだった女子の知り合いとかからの話で大体わかる。だが、君がこっちの世界に来た事で日本がとんでもない状況に陥っているんだよ」
「せ、戦争に進むって事、ですか・・・?」
「その通りだ。本当に君はそれでも帰るつもりはないと言う事か?」
「そ、そうです・・・」
「悪いが俺は君には不都合でも元の世界に戻る事を勧める。それでも嫌だっていうなら勝手にどこまでも逃げるがいい。但し、君は何も力がないだろ。ここの世界の人間に闘ってもらって自分は逃げるだけの卑怯者だ」
「う・・・」
藤木の心は揺れ動いた。
「そんなにかよちゃん達に来ないで欲しいって頼むのか。口で言っても誰も引き下がらん。自分がもっと強くなれるように自分の力で全力で戦うんだな。そうすれば卑怯者じゃなくなる」
(でも、山田の杖とかこの人が持ってる鎖鉄球とかの道具があれば・・・)
藤木は思い悩む。
「なら、強くなるにはどうすればいいですか?」
「そんなの俺は知らん。自分でその方法を探れ」
三河口は鎖鉄球を回して飛行した。そして羽根に戻ると通信機を取り出した。
「こちら三河口健。かよちゃん、藤木君は北側の林の入口にいるぞ。分捕るなら今だ」
『え?あ
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