白虎竜のハク
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の奴まで食うんじゃねぇ!!」
「いいじゃん、減るもんじゃないし!!」
「物理的に減ってんだろうが!!」
青年の食べ物を横からかっさらった少女は悪びれる素振りもなく舌を出すが、それに腹を立てた青年が掴みかかり店内は大騒動になっていた。
「全く・・・こいつらは・・・」
「止めないのか?」
「別にいい。こいつららしいしな」
その様子を銀髪の切れ長の青年は笑って見ており、隣にいる黒髪の剣を携えた女性はタメ息をついている。そして二人の隣にいる赤紫色の髪をしている少女は、頬を膨らませていた。
「そういうのじゃないから、気にしなくていいんじゃないか?」
「それでも気になるの!!」
銀髪の青年の言葉にキッと怒りながら答えた少女は目の前でいちゃついているようにすら見える二人を・・・特に金髪の青年の方を見ている。
「せっかくあたしがいるのに・・・」
「ハハッ、シリル面白いこと言うね!!」
少年の言葉に苛立ちを覚えた白虎の竜だったが、そんな表情を見せては機嫌を損ねてしまうと慌てて顔を取り繕う。しかし、水の竜はそんな彼に追い討ちをかけていく。
「本当だよ。まぁ、上の四人には追い付けそうもないだろうけど」
「だったら・・・」
その瞬間、ハクは先程と同じように一瞬でトップスピードに入り攻撃に出る。それをシリルはギリギリで回避するのがやっとだった。
「その四人を答えてみてよ!!」
追撃の引っ掻きをお見舞いするハク。それを少年は腕でガードして被害を最小限に抑える。
「一人目は未来の俺たちだ」
「未来の・・・?」
シリルが何を言っているのかわからず首をかしげるハク。それにより生まれた隙を彼は見逃すことなく拳を叩き込む。
「うっ・・・」
「二人目は異世界のお父さん」
攻撃を受けて体勢が崩れたハクに追撃の蹴りを放つ。しかし彼はそれを持ち味であるスピードで間一髪で回避し難を逃れた。
「白虎竜はそれよりも速いし強いし、えーと・・・えーと・・・速いんだぞ!!」
がう〜と動物のような鳴き声を上げながら拳を振り上げる。それに対しシリルも拳を振り下ろし、彼らのそれは正面から衝突した。
ドッ
ドラゴンの力を持つ双方の一撃は周囲に大爆発を起こす。それから現れたシリルは無傷だったが、ハクは地面へと叩きつけられていた。
「な・・・なんで・・・」
身体に痛みが走り思うように動けないハクは身体を起こすのもやっと。そんな彼にシリルは指を三本立ててみせる。
「三人目は俺の最大のライバル」
少年の頭の中に浮かぶ三人の男たち。彼らの能力の高さを自らの肉体で覚えている彼は、目の前の少年と記憶の中の彼らを
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