白虎竜のハク
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少年はそれに笑顔で答える。それはまるで余裕綽々といったような笑みを浮かべて。
「確かに君は速いね」
「でしょでしょ?シリルに褒められちゃったぁ」
頭に手を当て嬉しそうに頬を緩める少年。そんな彼に、シリルは頷いてから言葉を紡いだ。
「うん。俺が知ってる人の中で、五番目に速いかな?」
「え?」
その言葉にこれまで崩れなかった余裕の表情が崩れたハク。対するシリルの表情は、してやったりといった揺るぎない自信に満ち溢れていた。
少年たちのやり取りを見ていたその男は、タメ息をついてその場に寝転がる。そんな彼の顔を小さな少女が覗き込んだ。
「どうしました?具合でも悪いのですか?」
心配そうにしている少女に男は返答しない。やがて、彼女の後ろから見知った二人の青年が歩み寄ってくる。
「またあの子を見てるのかい?」
「あぁ。ただ、あんな雑魚に苦戦するとはな」
不満げな表情を見せた男は起き上がり、再び視線をよその世界の地上へと落とす。
「あ〜あ、早く追い付いてくれねぇかなぁ」
聖十大魔道が集う評議院。その場に一人だけ、顔を見せずに腕を組んで座っている黒装束の男がおり、彼を見た面々は緊張に包まれていた。
「なるほど。だから君は兵隊を連れずに行動していたわけか」
「あぁ、そういうことだ」
その中で一人冷静を装っているウォーロッドが問いかけると、カミューニは座ったまま肯定する。
「こいつは使える。これからは正式に俺の相方として行動を共にしたい」
「いや・・・でもさぁ・・・」
青年の提案にリュシーは顔をひきつらせている。彼と共にいた時間が長い彼女だからこその反応なのだろうが、他のものたちも同様に賛同しかねていた。
「彼を仲間にするのは、リスクが大きすぎる」
「そうじゃ!!いつ反乱を起こされるかわからん!!おい!!」
ハイベリオンとウルフヘイムが鋭い眼光で彼を睨みながらそう告げると、わずかに見える男の口元が緩んだことに気が付いた。
「何がおかしいのだ?」
「そりゃそうだ。まるでお前らを敵と認識するとでも思っているような口ぶりだからな」
ようやく沈黙を破った男は、顔を覆っている布をわずかに上げ、目を見せる。
「俺は強者にしか興味はない。お前らのような雑魚を意識するほどの感性は持ち合わせていないからな」
ここはとあるレストラン。そこで数人の魔導士たちが食事を行っていたが、そのうちの二人、金髪の青年と銀髪の少女は大騒ぎしていた。
「あ!!おい!!俺
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