白虎竜のハク
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「竜魔の咆哮!!」
ここは迷宮内のため決して広い場所ではない。それを生かしての攻撃を放ったシリルだったが、敵は思わぬ行動に出てきた。
「わぁ!!シリルの口から出た魔法!!」
自身に迫ってくる魔法をなぜか目を輝かせて見ている少年。すると、彼はあろうことかその攻撃へと自ら飛び込んでいく。
「ありがとー!!」
感謝の言葉を叫びながら。
「あいつ・・自分からくらいに行ったわよ?」
「え?自滅ってこと〜?」
そのまま地面へと叩き付けられた少年。その口からは赤い液体が飛び出したように見えたが、彼は地面で転がりながら感無量の表情を見せる。
「わぁ・・・幸せ・・・助かるぅ」
「シリル・・・もう咆哮は使わないでね?」
「あ・・・はい」
驚きよりもドン引きといった表現の方が似合うであろう四人の妖精たち。ただ、今敵はダメージを受けてすぐには動けないはず。そのチャンスを生かそうと少年はすぐさま次の攻撃へと動く。
「竜魔の・・・」
「元気出ちゃった。僕も少し本気出そうかな」
魔力を溜めている最中、ようやく起き上がったハクは被っていたフードをさらに目深く被り直す。それは自身の目を隠すほどに。
「がうがうがう!!白虎だぞ!!」
四本足で走るまるで動物のような少年だったが、彼はシリルの視界から消える。次に彼の気配が下のは背後からだったため、振り返ろうとするが・・・
「っ!?」
突如訪れる腹部への痛みにシリルは片膝をつく。
「シリル!!」
「何!?あいつ!?」
「見えなかったよ〜!?」
その場で彼らの戦いを見ていた三人も動きを捉えることができなかった。いまだに四本足でいる少年は歯を見せて得意気な表情を浮かべていた。
「白虎竜はすんごく速いんだ。そうだよ、"光"に例えられる速さなんだ」
「光・・・だと?」
目にも止まらぬ速さで少年の腹部を切り裂いたハク。彼が振り向くと、その表情は先程までとは異なっていた。
「そう、光。そういえば言い忘れてたけど、僕は黒滅竜騎団の一人。強いんだよ」
年相応の笑顔を絶やさなかった少年は本気の目をしていた。戦うことになった途端に豹変した彼に、少女たちは驚きを隠せない。
「ウェンディ!!あいつ強いわ!!」
「うん!!シリル!!手伝うよ!!」
「僕たちもいくよ〜!!」
人型へと変化したシャルルとセシリー。ウェンディと予想外に強い相手に加勢しようとしたが・・・
「大丈夫!!」
シリルはそんな彼女たちを制止した。
「あれ!?なんか人が増えてる!?でもいいの?一人じゃ僕には勝てないんじゃない?」
シャルルとセシリーが人になっていることに驚きつつも余裕を崩さないハク。そんな彼はシリルを挑発するが、
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