白虎竜のハク
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も使えるんです」
力強くそう言い放つ少女に少年は震えたかと思うと・・・
「大好きでしゅ」
またしても行われる愛の告白。これにはさすがに平常心を保とうとした少女も言葉を失うしかない。
「じゃあこうしよう」
名案が閃いた少年はその屈託のない笑みをまたしても見せると、可愛らしいポーズを決めながら二人にある提案をした。
「僕が勝ったら、付き合ってほしいな」
「「はぁ!?」」
ぶりっこのようなポーズを決めている少年に二人の顔は怒りを通り越して呆れてしまう。しかし、少年はそれを気にすることなくニコニコとしていた。
「あなた・・・何言って・・・」
「待って!!ウェンディ!!」
あまりの発言に怒り心頭の少女だったが、食って掛かろうとした彼女をシリルが制止する。
「シリル?」
「こいつは俺がやる」
そう言った少年の顔を見た少女はゾッとした。怒りの感情は彼にもあるためそれ事態は問題ないが、その表情はいつにも増して恐ろしく見える。
「ウェンディは絶対にやらない」
その理由は明白だった。恋人である少女を奪い取ろうとしている存在が目の前にいる。それだけで彼からすれば戦うに値する。
「わぁ!!じゃあ勝ったら二人とも付き合ってくれるの!?」
「あぁ・・・それでいいよもう・・・」
ただ、少年は目の前にいる二人に恋愛感情を抱いているためそんなとんでもない発言が飛んでくる。ただでさえ男であるシリルからすれば嫌な提案なのだが、彼のキラキラきた瞳に負けて承諾してしまった。
「え!?いいの!?約束だからね!!」
本当に純粋なようにしか見えない少年の笑顔に後悔しているシリルだったが、もうあとには引けない。彼は滅悪魔法も解放すると、自らの魔力を最大限に高める。
「じゃあ君がぬいぐるみになったら"負け"ってことでいいかな?」
「やれるもんならやってみろ!!」
「それじゃあ・・・ブラッシュドール!!えい!!」
まず仕掛けたのはハク。彼は魔法でシリルをぬいぐるみへと変えようとしたが、少年はそれを飛び上がって回避する。
「あれ!!すごいジャンプ力!!」
「今度はこっちの番だ!!俺はお前を気絶させたら"勝ち"でいいな!?、」
「いいよー!!」
緊張感の欠片もないほどユルユルの敵を見て本気を出すのも気が引けたシリルだったが、自身と恋人の貞操がかかっているため気を引き締め直す。
「竜魔の・・・鉄拳!!」
間合いへと入り込み振るった拳。しかしそれは敵へ当たることはなかった。
「速い!!」
「気をつけて!!シリル!!」
「大丈夫!!」
反応も動きも速い少年だったが、彼の頭の中にはすでに次の攻め手があった。動きが速いのならばと、シリルは頬を膨らませる。
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