第二章
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「やっぱりな、だからな」
「それでなのね」
「八丁味噌たっぷりつけてな」
おでんの具にというのて、見れば具は蒟蒻にちくわ、がんもどきにゆで卵に大根に揚げにごぼう巻きにはんぺん、蛸に昆布といったものだ。
「食べような」
「それじゃあね、しかし名古屋ってね」
今彩花はしみじみと思った。
「本当にお味噌ね」
「それも八丁味噌っていうんだな」
「それね」
「そうだよ、身体にいいし美味いしな」
東吉は笑顔で応えた。
「何でも使えるしな」
「使うんじゃなくて?」
「それでもいいけれどな、理屈抜きにな」
「名古屋はお味噌なのね」
「そうだよ、だからおでんにもな」
「お味噌ね」
「そうだよ、まあ嫌ならな」
東吉は笑ってこうも言った。
「別に他の調味料でもな」
「いいの」
「醤油でも芥子でもな」
「おでんだから芥子ね」
「それでもな、けれど食いたいならな」
それならというのだ。
「八丁味噌をな」
「使えばいいのね」
「ああ、そういうことでな」
それでというのだ。
「よかったらな」
「八丁味噌使って食べればいいのね」
「ああ、そうしてくれよ」
「それじゃあ」
彩花は東吉の言葉に頷いた、そしてだった。
おでんに八丁味噌をつけて食べてみた、それもたっぷりと。
すると実に美味かった、この日から彩花も八丁味噌を食べる時によく使う様になり。
「今日は味噌煮込みうどん食べましょう」
「わかってきたわね」
詩織は会社で自分から言ってきた彩花に応えた。
「そう、名古屋はね」
「八丁味噌ですね」
「きし麺と海老とういろうとモーニングとね」
「鶏にですね」
「その筆頭としてね」
まさにというのだ。
「お味噌があるのよ」
「そうした街ですね」
「だからね」
「どんどん食べることですね」
「そうよ、今度焼き味噌食べたらいいわ」
詩織は笑顔でこうも言った。
「織田信長さんが好きだった」
「まさに名古屋の英雄ですね」
「あの人が好きだったね」
そうしたというのだ。
「あのお料理もね」
「食べたらいいですね」
「レシピはネットにもあるから」
「作って食べればいいですね」
「レシピ見てね、いいわね」
「わかりました、そうしてみます」
「じゃあお昼はそれね」
味噌煮込みうどんだとだ、笑顔で話してだった。
彩花は詩織と一緒に会社の昼休みは味噌煮込みうどんを食べた、八丁味噌をふんだんに使ったそれは実に美味かった。
八丁味噌は名古屋の味 完
2023・5・22
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