14話 Emperors【王者たる者たち】
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かってるのかな?」
「どこだろうね?」
「「うーん……」」
すると白く輝く髪の青年は、双子たちに尋ねる。
『セフィオス、グリフォス。君たちは人間をどう思いますか?』
「うーん、みんな同じ!」
「でもちょっとずつ違う!」
セフィオスとグリフォスと呼ばれる双子は子供ながらもその超越的な視点で捉えていた。
その言葉に白髪の黒い青年は悟ったように彼らに話し始める。
『かつて父上と母上は人間に転生したことがあるそうです。だからこそ【人間という性質】を理解している。』
「「せーしつ?」」
『しかしその答えは真逆。母上は人間を狂的に愛し、父上は人間を苦しめている。』
「父上さまこわい……」
「こわい……」
ガタガタと可愛く震えるセフィオスとグリフォス。その姿を見て青年はアルカイックな笑顔で彼らにさらに問う。
『君たちは父上が怖いのですか?』
「「うん!」」
『では母上は?』
「母上さま優しい〜」
「けど何もさせてくれなーい。」
『人間たちもまた、その間で葛藤しているのでしょう。その中で過ちを繰り返し、時が流れるのです。』
青年???もとい、オーヴァーロード/ユオスは沈みゆく太陽を見ながら呟く。
『今、世界が大きな変化の岐路にあります。場合によっては……太古の時代、我々が世界を水で覆ったように、人間たちは自ら破滅の道へ向かうでしょう。』
「「………」」
『我々は人間という存在を吟味しなければなりません。人間が、我々に反逆する存在か、それとも我々に縋る存在か、はたまたそれ以外か……』
沈みゆく太陽。
それに取って代わるように街中にネオンライトが溢れ始める。ニセモノの光に塗れたそれを人々は太陽だと言い張る。
それはまさに偶像【iDOL】ではないか。
偶像という虚栄に縋ることが正しいのか、それとも破壊するのが正しいのか……それは『善悪両方を知る者』にしか決められない。
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