14話 Emperors【王者たる者たち】
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約束してしまった。自分がいないと彼女が歌えないかもしれない。
戦いとは別の理由が速人を追い詰めた……その時、脇から傷だらけの那由多が肩を叩く。
「行けよ。」
「は?」
「かのんたちのトコへ行けっつってんだよ!!」
叫ぶ那由多。その真剣な眼差しに速人の心はさらに揺れる。
「だが俺だけ逃げるみたいじゃねぇか……そんなみっともないことはできねぇよ。」
「逃げる?だからどうしたんだよ!!師匠も言ってただろ!?『逃げたい時に逃げればいい、自分が得な方を選べ』ってな!!そんなプライドのために……かのんたちとの約束を破るんじゃねぇぞ!!」
「那由多???」
「エルシャム王は俺たちが死ぬ気で食い止める!!だから行け!!」
そうだ???那由多は速人にとっていつでも頼りになる男。ひどく馬鹿だが、人一倍信頼のおける男だ。
困った時に頼りにしていると言ったのは自分じゃないか……速人は今までの自分を恥じた。
彼の黄金の左目が輝く。
「わかった。頼んだぜ……バカ狼!!」
「おう!」
速人はその場を一目散に退却する。
ダークキバはその光景を見て、仮面の中に隠れた口角が上がる。
「それでいい……それでいいぞ天羽速人!」
「訳のわかんねぇことを言ってんじゃねぇよ。」
「ははは…!俺はこの地上の統治を神に任された存在、彼らの行く末の1つや2つ理解している。」
「あ……?」
エビルはダークキバの話に理解が追いついていない……というよりも人間の理解の範疇を超えているというのが正解か。
しかしそんなこと王は気にかけない。
「俺が求めるのはリアリティのある、小説より奇なる物語。だからこそ……俺は【リアリティを演出】し続け、楽しむのさ。」
リアリティの意味……とは?
?????※?????
「よし、今度こそ……!」
原宿にて再びスカウト(?)されようとこれ見よがしにクレープを可愛く食べていた平安名すみれ。
しかし人の流れが一気に変わることを流行に敏感な彼女は読み取る。
「何……?」
その時……
『流れるまま向かった先に使命がある。』
「!?!?!????気のせいかしら?」
誰かに喋られた。しかし辺りを見回しても誰もいないため空耳と判断せざるを得ない。
しかし……その言葉はすみれを確実に動かした。
「ま、行ってみましょう。」
クリームを鼻につけたまま原宿のど真ん中から走り去ってしまう……人の流れに乗って。
そんな人々を高層ビルから見下ろす1人の黒い服の青年と双子の子供たち。
「人がいっぱいー!!」
「どこに向
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