第七十八話 ホテルのカレーその五
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「個人としてはね」
「問題なかったんですね」
「ヒトラーはね」
「だからこのホテルでもですか」
「人種差別しなかったら」
それならというのだ。
「いいわよ」
「そうですか」
「本当に欧州からいきなり来た人は」
日本の知識が乏しくだ。
「中には朝から飲もうとして」
「止められる人いるんですね」
「実際ドイツから来た初老の男の人で」
そうしたホテルマンでというのだ。
「笑ってでも言ったのよ」
「朝から飲みたいってですか」
「言ってね」
それでというのだ。
「ちょっとそれはってなったのよ」
「実際にあったんですね」
一華は成程という顔で応えた。
「そうしたことが」
「その人は冗談で言っていて」
「実際には飲まなかったんですね」
「その時食欲がなくて」
「ああ、生卵入れたビールですね」
「それでいきたいってね」
その様にというのだ。
「言っていたのよ」
「そうだったんですね」
「飲まなかったにしてもその時に私もわかったのよ」
「欧州では朝からお酒を飲むって」
「それが普通だってね」
「だから少佐さんもですね」
一華もこのキャラクターの話をした。
「朝から食欲なくてワインでも」
「あっちじゃおかしくないのよ」
「そうなんですね」
「まあ一本空けて車運転するのは」
「ちょっと怖いですね」
「ご本人意識してなかったけれどね」
尚運転しながら葉巻も吸っていたがこちらは一日あたり百本はいきそうなペースであったと作中で言われている。
「私達には無理よ」
「そうですよね」
一華もそれはと頷いた。
「本当に」
「日本だと飲酒運転もね」
「駄目ですからね」
「絶対にね」
「欧州じゃそれもですか」
「朝からビールだとね」
若しくはワインならというのだ。
「もう誰もよ」
「問題にしないですね」
「昔の農家の人だって」
欧州ではというのだ。
「疲れた時に仕事中にね」
「飲んでいたんですね」
「輿にビールが入った袋入れていて」
欧州、ドイツ等ではそうであった。
「疲れると」
「エネルギー補給で」
「飲んでいたのよ」
「そうだったんですね」
「そんなお国柄だから」
「ホテルでもですか」
「欧州風だと朝からシャンパンとか出て」
このホテルもそうである。
「それでよ」
「飲んでいるんですね」
「お客様はね、けれど」
「働いている人は」
「飲むなら夜よ」
絶対にというのだ。
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