第七十八話 ホテルのカレーその四
[8]前話 [2]次話
「真面目そうですし」
「そうなのよね、ヒトラーって」
「実は人間としては女性や子供に紳士で」
「そうした人でパワハラモラハラもね」
そうしたこともというのだ。
「実はね」
「しない人で」
「個人としてはね」
「悪い人じゃなかったんですね」
「そうだったみたいよ」
「意外なことに」
「ちなみに背は一七五だったそうだし」
「普通に高いですね」
留奈はヒトラーの背についても言った。
「一七五って」
「今の日本だとね」
「当時のドイツでもですか?」
「低くなかったそうよ」
決してというのだ。
「これがね」
「髭の小男とか呼ばれていて」
「けれどね」
その実はというのだ。
「一七〇あったのはね」
「事実なんですね」
「そうだったのよ」
「それで何で小さいって言われてたんでしょうか」
留奈はそれが不思議だった。
「一体」
「それね、周りが軍人さんだと」
「それならですか」
「親衛隊とか一八〇ないと」
それだけの背がなければというのだ。
「入隊出来なかったし」
「一八〇の中で一七五だと」
「小さいでしょ」
「相対的に」
留奈は答えた。
「そうなります」
「だからね」
それでというのだ。
「そう言われてたみたいよ、将軍の人達も」
「大きかったんですね」
「その人達は貴族で」
当時の欧州の軍隊の多くは士官は貴族出身者がかなりの割合を占めていた、ドイツ軍もプロイセン貴族の中でユンカーと言われる下級貴族出身者が多かった。
「生活に困ってなくて食べものもね」
「いい人達で」
「もう普通にね」
それこそというのだ。
「背が高い」
「そんな人が多くて」
「それでね」
「ヒトラーはその中にいて」
「小さく思われてね」
それでというのだ。
「言われていたとも言われてるわ」
「それも相対的ですね」
「けれど一七五たったら」
「当時のドイツも普通の人達の中では」
「小さいとはね」
そうはというのだ。
「決してね」
「言えなかったんですね」
「それでお酒も煙草も口にしなくて」
「真面目で紳士だから」
「その思想は大問題でも」
人種的偏見が極めて強いそれはというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ