バトルダンジョン
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すげーな!!じいちゃん!!」
彼がそんなに強い存在だとは思っていなかったためこれには驚かざるを得ない。だが、それだけの偉業を達成したのに彼の表情は暗かった。
「だが・・・その代償にワシの心臓は奴に喰われた」
その内容は彼の偉大な功績のことを忘れさせるほどに衝撃的だった。
「心臓!?」
「いやいやいや!?」
「それって・・・」
「すげーな、じいちゃん・・・って!!じゃあなんで生きてんだよ!!フツー死ぬだろ!!」
心臓を喰われたにも関わらず彼は今ここに顕在している。思念体ってわけでも無さそうだし、説明を聞かなきゃ納得できないよ。
「"竜化"の影響じゃな・・・人間が滅竜魔法を使えばやがて身体が竜化していく。その時、外観の変化だけでなく臓器すら変化してしまうのじゃ」
「まさかそれで心臓がもう一個できたのか!?」
「そんなことが起きるんですか!?」
竜の心臓と人間の心臓があるってことなのかと思い、想像したグレイさんは顔を青くしていたが、どうやらそう言うわけではないらしい。
「いや・・・少し違う。心臓がいらない身体になったのじゃ」
「すげーなじいちゃん!!」
「いやいやいや!!おかしいって!!」
心臓は身体に血液を循環させるために必要になる臓器。それが止まれば身体に栄養が行き渡らなくなりやがて死に至るはずなのに・・・それすら覆してしまったということなのか?
「厳密に言えば心臓の代わりとなる臓器が作られた。おかげでこうして生き長らえておる」
「そんなこともあるんですね!!」
「すげーな、竜の身体ってのは」
「まさに神秘ですね」
「あたし・・・まだ納得できないけど・・・」
ルーシィさんの気持ちもわかるが、俺はこれ以上突っ込もうとは思わない。だってたぶん聞いても分からないじゃん?
「だが・・・ドグラマグの真の恐ろしさは死んだ後じゃった。奴の死体から溢れた魔力が大地に根付き、巨大な地下迷宮を作り出した。それが"ドグラ大迷宮"」
さっきから話していた大迷宮ってのはそのことだったのか。死体がそんなものを作り出すなんてにわかには信じがたいけど、そんな俺たちの考えを聞くこともなくエレフセリアさんは話を続ける。
「それこそが奴の真の力だったのじゃ。死してなお輝き続ける、神の竜の名にふさわしい力。迷宮は多くの冒険者や魔導士たちによって探索された。1000人以上が迷宮に入り、帰ってきた者は数名だけ。その者たちの報告によれば大迷宮内は複雑に入り組んでおり、年々広がっているらしい」
その迷宮はもしかしたらいまだに大きくなり続けているということなのだろうか?ただ、その迷宮を作り出したドグラマグはすでに死んでいるため倒すこともできない。だからエレフセリアさんはその迷宮の入口を塞ぐことにした
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