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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第153話:戒めから解放される狂気
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それを常人が見れば足が竦み腰が抜けそうなほど危険な雰囲気を身に纏っているが、ワイズマンは全く気にした様子を見せない。
「それで? 俺を解き放って、お前に何のメリットがある?」
それはメデューサも気になっていた事だ。魔法使いの中にはファントムと化してからもワイズマンに忠誠を誓う者が居るが、このレギオンは誰の言う事も聞かず力の赴くままに暴れる狂犬でしかなかった。本来であれば役立たずと始末されるのだが、コイツはその力の強さから封印するだけで精一杯だった。メデューサはそう認識している。
言う事を聞かず暴れるだけの厄介者を何故ワイズマンは自由にするのか? その理由が分からず首を傾げるメデューサとレギオンファントムに対し、ワイズマンが口にした答えは酷く単純なモノであった。
「面白いじゃないか」
「……は?」
「え?」
面白い……たったそれだけの理由でワイズマンは厄介な狂犬であるレギオンファントムの戒めを解き放ち、野に放とうとしているのだ。傍から聞いていたメデューサのみならず、当の本人であるレギオンファントムですら一瞬理解が及ばなかったのか口をポカンと開けている。
だがそれも一瞬の事で、次の瞬間には大口を開けて笑い声をあげていた。
「ハッ母ハハハハハハハハハッ!!」
笑いながらレギオンファントムは怪人の姿になると、そのまま走って洞窟から出て行ってしまった。その後ろ姿をワイズマンは黙って見送る。
「ワイズマン様ッ!?」
漸く回復したメデューサは、ワイズマンの身に傷などが無い事を確認して安堵しつつ何故こんな事をしたのかと彼を問い詰めた。
「本当に宜しかったのですか? 奴を外に出せば、見境なく暴れて……」
「それが良いんじゃないか。そうすれば、S.O.N.G.の連中も嫌でも動く。それに、理想を追い求めるだけの甘ちゃんのパヴァリアの幹部も放ってはおかないだろうよ」
そうするとどうなるか? 答えは単純、レギオンファントムとS.O.N.G.、そしてパヴァリア光明結社による三つ巴の戦いの始まりだ。
その戦いの中で、どれか一つは必ず倒れてくれる。出来れば勝者が一つになってくれた方が面倒がないが、仮に二つ生き残ったとしてもどちらか片方はきっと大きく消耗している筈。
そこを横から突っつき、残った一つを全力で始末してしまえば…………
「なるほど、一気に邪魔者を始末できると言う訳ですね」
敵対してきたS.O.N.G.に因縁のあるパヴァリア光明結社は勿論、言う事を聞かず暴れるだけのレギオンファントムもジェネシスと言う組織からすれば邪魔な存在だ。邪魔者が互いに潰し合い、消耗し合ってくれるのであれば、これ以上いい事は無い。
そう結論付けたメデューサは、改めてワイズマンに畏怖と敬
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