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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第153話:戒めから解放される狂気
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めました。S.O.N.G.と戦闘に突入し、両者現在は様子を見合っているようです」
「ふ〜ん……」
メデューサからの報告を、ワイズマンは特に興味もなさそうに聞いていた。実際、彼はパヴァリア光明結社に対してそこまで大した関心を向けていなかった。
パヴァリア光明結社とジェネシス……一方は錬金術師の組織であり、もう一方は魔法使いの組織。歴史的軋轢が存在する両者は、長い事互いを忌み嫌う様に牽制し合っていた過去がある。
それがここ最近は大きく事情が変わっていた。パヴァリア光明結社はその存在を可能な限りひた隠しにし、世間の裏での暗躍に努めていた。対してジェネシスは、裏で暗躍してきた点は同じだがパヴァリアに比べるとその動きはハッキリとしている。人々を誘拐し、サバトに掛け、そして仲間を増やしてきた。
敵対する組織が大人しい内に、ジェネシスはその勢力を広げようとしていたのだ。
だがフロンティア事変でそれも頓挫する。颯人達魔法使いと奏達装者の活躍により、戦力とする筈だった魔法使いの大半が失われた。そして先の魔法少女事変において、その穴を補填する計画をメデューサが中心となって進めていたにもかかわらずそれも防がれ、ジェネシスはその組織力を大きく削ぎ落されていた。
パヴァリア光明結社の台頭は、そんなジェネシスの現状を鑑みての事なのだろう。それがメデューサの見解であった。
このままだと今度は錬金術師に世界の裏の覇権を握られる事になる。危機感を感じたメデューサは、今後の方針を決めるべく首魁であるワイズマンの元を訪れたのであった。
「ワイズマン様、如何いたしましょう?」
跪いて意見を伺ってくるメデューサに対し、ワイズマンは何も言わず立ち上がった。そしてそのまま無言でメデューサの横を通り過ぎて何処かへと向かう。
何も言わない主に、メデューサは不思議に思いつつその後に続く。階段をどんどん降りて城の地下へと向かい始めた辺りで、彼女は嫌な予感を感じた。
「み、ミスター・ワイズマン? この先は、まさか……」
「クククッ……」
腹心が自分の考えを察した事に気付き、ワイズマンの口から笑い声が零れる。その笑いからメデューサは自分の予想が正しい事を察して、慌ててワイズマンを止めようとした。
「お待ちください、ワイズマン様ッ! ”あれ”を解き放つのは非常に危険ですッ!? ワイズマン様にすら牙をむきかねないのですよッ!?」
メデューサが幾ら言ってもワイズマンは聞き入れる様子を見せず、城の地下のさらに奥のところまで向かって行った。次第に整備されていない岩肌剥き出しの洞窟の中を、壁に点々と存在する松明の灯りだけを頼りに進んでいく。
そうして2人が辿り着いた先に居たのは、壁から伸びた鎖で両手を繋がれた1人の男だった
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