忘れていたじゃ済まされない
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とでエレフセリアさんが"ギルド間抗争禁止条約"のことを持ち出してきたが、それならディアボロスへの制裁をするべきだと反論する。それを受けた彼は先ほどボコボコにされたことを思い出したのか、小さくなって俯いている。
「おっと、もうこんな時間か。そろそろヒカゲが戻ってくる頃じゃ」
「ヒカゲ?」
俺たちの言い分を理解してくれたエレフセリアさんは暗い顔をしていたが、壁にかけられた時計の音を聞くとすぐに話題を切り替えてくる。
「老人の一人暮らしは何かと大変でのぅ、ワシの身の回りの世話をしてくれている者じゃ」
「この辺り、何もないですもんね」
老人じゃなくても生活に苦労しそうなこの地。そのヒカゲって人は今は遠くの町まで買い出しに行っているようで、この時間には戻ってくるとのことで紹介してくれるらしい。
「てーへんだてーへんだぁ!!」
どんな人なのかと待ち構えていると、突然翼を必要以上に羽ばたかせたカラスが建物内へと侵入してくる。
「おおヒカゲよ、ちょうどお主の噂をしとったところじゃ」
「え!?この人?が!?」
「カラス!?」
「しゃべってるー!!」
人じゃなくてカラスだったことが衝撃だったが、そのヒカゲは俺たちの真上を飛び回りながらなおもてーへんだと叫び続けている。
「エレフセリア様!!てーへんでがすよ!!大迷宮に侵入者でがす!!」
それを聞いた瞬間、エレフセリアさんの顔から冷や汗が大量に流れ落ちる。その様子がおかしいことに気が付いた俺たちは、問い詰めることにした。
「大丈夫ですか?エレフセリアさん」
「大迷宮!?」
「なんだそりゃ」
俺たちが彼に問いかけるとそれでヒカゲは人がいることに気が付いたらしく自己紹介とエレフセリアさんとの出会いのことを話し始めるけど、今は誰もそのことが頭に入っていかない。
「ヒカゲ!!今は昔話はよい!!一体何者が大迷宮に!?」
「ディアボロスでがす。それも黒滅竜騎団を引き連れて・・・ほぼ全力でがす!!」
「黒滅竜騎団?」
聞いたことがない名前に首をかしげる。だが、それにヒカゲが答えるよりも先にエルザさんはエレフセリアさんに大声で問いかけていた。
「大迷宮とは何なのだ!?なぜそこにディアボロスが・・・」
彼女の声が聞こえているのかいないのかはわからない。ただ、顔色がますます悪くなるエレフセリアさんは小声でブツブツと何かを呟いている。
「マズイ・・・マズイぞ・・・」
「てーへんだてーへんだ!!」
「あそこには・・・六頭目の五神竜が眠っている・・・」
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