忘れていたじゃ済まされない
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のか。
「闇ギルドなのに?」
「いいや、ディアボロスはれっきとした正規ギルドじゃよ。確かにマスターゲオルグの素行の悪さはよく耳にするが、法に触れるような仕事はしていないはず」
あの人たちの素行から闇ギルドだと勘違いしていたけど、ちゃんとしたギルドだったのか。ただ、そうなると一つの疑問が生じる。
「でも変ね。あいつらは竜を狩るのが仕事みたいな奴らでしょ?ギルティナ・竜を狩るギルド。この100年クエストを遂行するために存在するようなギルドじゃない」
「確かに!!100年クエスト、ディアボロスには依頼しなかったんですか?」
「依頼は・・・した。数年前あのゲオルグに」
シャルルとウェンディの問いに答えるエレフセリアさんだったが、何やら歯切れが悪い。その理由はあのギルドと関係があるらしい。
「だが・・・その時はまだディアボロスは存在しなかった」
「どういうことだ?」
「ディアボロスは100年クエストをきっかけに作られたギルドなんじゃ」
なんでもディアボロスのマスターゲオルグはこの大陸で生き残っていたドラゴンを殺しては喰らってその力を得ていたらしい。そしてそれによりドラゴンイーターと呼ばれるようになった彼の元に多くの魔導士たちが集まり、ディアボロスが誕生したらしい。
「だからあいつらは五神竜のことを知ってたのか」
「でも・・・それってこの100年クエスト"誰にも口外してはならない"に反してない?」
「その通り。ゆえに依頼は破棄、その権利は別のギルドへと渡っていた」
「ならば奴らが五神竜を狙うのは立派な違法ではないか?」
エルザさんの言う通り、正式な依頼を受けていないのにそれに関与することは禁じられていたはず・・・そのことはエレフセリアさんも承知しているらしいけど・・・
「うむ。そこな悩ましいところでな。現在正式な権利は君たちにある。だが・・・いらいぬしとしては依頼が達成できるなら誰でもよいというのが本音じゃ。君たちには申し訳ないが、五神竜を封じるためならば、ワシはディアボロスをこの先も放っておくという判断をした」
その言葉にはさすがに納得できずに声を荒げる。だが、一番怒りそうなエルザさんだけは冷静に俺たちを宥めている。
「落ち着け、依頼主の気持ちになれば理解を示すべきだ」
「エルザさん」
「そうなんですけど・・・」
それでもやっぱり納得できない自分もいる。そう思っていると、突然彼女の表情が一変した。
「災厄級の竜を封じる、目的が同じなのは仕方なし。だが、我がギルドと敵対するつもりなら話は別だ。私は仲間の身を脅かすものには容赦しない!!」
冷静かと思われていたエルザさんだったが、自分は一番怒っていたらしい。それに乗じてナツさんと珍しくルーシィさんもヒートアップしていたこ
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