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魔法少女リリカルなのはStrikerS〜赤き弓兵と青の槍兵
本編
二十四話〜壊される仮面
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「娘だ」
「ならどうして!」
「私たちの任務はなんだ?ここで憤ることか?違うだろう。アルト・クラエッタ二等陸士」
「う……」


正論。まさしく管理局員としての正論ではある。だが……、私にはわかってしまった。それは仮面だ。本心を偽るための。


「わかったら未だ自分の殻に閉じこもっているヴァイス陸曹の代わり、と言う君の責務を果たすことだ」
「……了解、しました。衛宮三等空尉」


そういってアルトは駆けて行った。
そのあと、


「もう、やめてよ」
「なのは……?」
「そうやって嫌われ役になって」


止められなかった。みんなのために、士郎君が一人で傷つくのが耐えられなかったから。


「一人だけで傷ついて」


支えになる、と言って何もできていない自分が情けなくて、


「傷ついてないふりをする」


だから思いをぶちまける。


「私は、そんな士郎君を見てられない!」
「……なんのことだ?」


しらばっくれていても、もう私にはわかる。
はやてちゃんがマスターの時に見ていたという夢。きっとあれは、士郎君だ。
“正義の味方”を目指していた時の。私が見ていた夢もそうだろう。


「本当は士郎君、今すぐヴィヴィオのところへ行きたいはず!もう大丈夫、って言って抱きしめてあげたいはず!それなのに………」


だから私は彼の仮面を壊す。


「嘘ばっかりつく!自分は平気だって!悲しくても!辛くても!嘘ばっかりつく!」
「………なぜ君が泣いている?私のことなど気にする必要はない」
「気にしないわけないよ!!」


いわれて気が付いたが私は泣いていたみたいだ。涙が流れていくのも無視して士郎君の仮面を砕く最後の言葉を言い放つ。









「だって私は、士郎君が好きだから!!一人で悲しんだり、苦しんだりしないでほしいから!!ヴィヴィオと一緒に笑っていて欲しいから!!」


ため込んでいたものを全てぶつけた。私が全てを言い終わってから、士郎君がゆっくりと口を開いた。


「全く、緊急事態の時にそんなことを言われるとは思わなかったぞ。今のはスターズの隊長としてどうなんだ?」


その顔には先ほどまでの仮面はなく、普段の士郎君だった。


「そ、それは……」
「冗談だ」
「え?」
「助けに行こうか。私達の娘を」
「………うん!」


ようやく私の思いが届いた。仮面に隠され、剣で覆われた彼の心に。




side 士郎


驚いた。まさかこんなことを言われるとは。


「だって私は、士郎君が好きだから!!一人で悲しんだり、苦しんだりしないでほしいから!!ヴィヴィオと一緒に
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