第九十九話 お盆が終わりその三
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「アメリカから来た子の話だと」
「そうよね、それはそれで問題がある場合もあるけれど」
咲もこう言ってから述べた。
「けれどね」
「それでもよね」
「作者さんがお亡くなりになっても」
「続けられるわね」
「出版社にその気があったら」
「そうよね」
「日本は作者さんにあるから」
著作権はだ。
「作者さんは他の出版社でも同じ作品書けるわ」
「そうよね」
「けれどね」
それでもと言うのだった。
「逆にね」
「お亡くなりになったら」
「それでね」
「未完の危機に陥るのよね」
「そうなるとね」
「実際に今もあるしね」
「そう、作者さんがお亡くなりになって未完の漫画とかラノベって」
まさに明暗の様にというのだ。
「あるから」
「今もね」
「ここにもそうした作品あるのよね」
咲は部室の中を見回して話した。
「折角面白かったのに」
「作者さんがお亡くなりになって」
「それでよ、ご病気でってね」
「急病で」
「そうなっての未完って」
同級生にこれ以上はないまでに苦い顔で話した。
「こんな嫌なことないわよ」
「本当にそうよね」
同級生もそれはと同意した。
「作品は絶対にね」
「はじまったらね」
「終わらないとね」
「未完の作品がよ」
これこそがというのだ。
「一番残念よ」
「それだけはあって欲しくないわね」
「打ち切りって言われても」
連載作品では付きまとうことだ、何年にも渡って連載されたヒット作でもそうした結末を迎えることがある。
「終わってるだけね」
「いいわよね」
「打ち切りで終わりは終わりだから」
そうだからだとだ、咲は難しい顔のまま話した。
「だからね」
「いいわよね」
「まあそこで未完って書いたら」
結末のまさにそのページでだ。
「それはそれで凄いけれど」
「そうした漫画もあったわね」
「ええ、有名な漫画でね」
「男何とかっていう」
「読んでみたら面白いけれど」
それでもとだ、咲は同級生に話した。
「残念だけれどね」
「打ち切りになって」
「それで最後のページでね」
「そう書いたのね」
「最後見開き二ページで描いたコマも」
それもというのだ。
「伝説になってるのよ」
「そうなのね」
「聖闘士とかの漫画描いた人で」
「ああ、あの人ね」
同級生もそう言われて理解した。
「私も知ってるわ」
「物凄い有名人だしね」
「漫画家さんとしてね」
「そうよね」
「ご自身は漫画屋って言われていて」
「今も描いておられるわね」
「そうよ、それでこの作品は」
打ち切りでその最後のページが文字もコマも伝説になったそれはというのだ、咲は同級生に対して話した。
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