第九十九話 お盆が終わりその一
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第九十九話 お盆が終わり
お盆が終わるとだった。
咲は部活にもアルバイトにも戻った、部活は合宿の時もそうであったが学校の部室で行われていた。
そこで漫画を読みつつだ、咲は同級生に話した。
「終わってる漫画はいいけれど」
「どうしたの?」
「いや、終わってない作品ってね」
同級生、女子の彼女に話した。
「それだけで嫌よね」
「ああ、それね」
同級生も言われて頷いて答えた。
「やっぱりお話ってこそね」
「読み終わって満足ってね」
「なるわよね」
「そうでしょ、小説でもね」
「未完だとね」
「嫌になるわよね」
「夏目漱石の明暗読んだけれど」
同級生は漱石最後の作品の話もした。
「あの作品結末が見えて」
「もうすぐで終わるのよね」
「そうなるって時にね」
まさにその時にというのだ。
「漱石亡くなったからね」
「胃潰瘍が悪化して」
咲はこのことから話した。
「そうよね」
「そう、ピーナッツ食べ過ぎて」
人に呼ばれてついついそうしてしまったという。
「持病の胃潰瘍がね」
「悪化して」
「それで急死したのよ」
「あの人結構病気持ちだったのよね」
咲は漱石のこのことを話した。
「その胃潰瘍に痔に糖尿病で」
「被害妄想でね」
「色々大変だったのよね」
「それで特に胃潰瘍が危なくて」
「一回危篤になって」
門を書いている時にそうなったという。
「遂にだったのよね」
「いや、胃潰瘍にピーナッツってね」
同級生はどうかという顔で言った。
「絶対に駄目よね」
「そうよね」
咲もその通りだと答えた。
「アウトもいいところよね」
「それで亡くなって未完とか」
「残念よね」
「今だったら」
現代ならというと。
「食事療法ね」
「それ間違いなかったわね」
「それで治療して」
「書いてもらってたわね」
「それで明暗も完結したかも」
「そう思うと残念ね」
「全くよ」
同級生は苦い顔で咲に話した。
「最後まで読んで未完ってあってね」
「嫌になったのね」
「残念ってね」
その様にというのだ。
「思ったわ」
「やっぱりそうなのね」
「それで私もよ」
「終わってこそっていうのね」
「漫画や小説で未完は」
それはというと。
「ゲームだと完成していないのよ」
「そんなゲーム売ったら大騒ぎよ」
咲は眉を顰めさせてこう返した。
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