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第十七話 禁句その十二

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「わかったわ」
「例え私達の敵であっても」
「悪人とは限らないわ」
「そのことがですね」
「わかったから」
 それ故にというのだ。
「あの人についても」
「そうですか」
「そしてね」
 さらにだ、嵐は話した。
「何といっても私達のことで」
「はい、剣とですね」
「最後の一人のことをね」
「これからどうなるか」
「どういった事態になってもね」
 封真の先程の言葉を思い出してであった、嵐は無意識のうちにその彼に目をやってそのうえで護刃に話した。
「落ち着いてよ」
「ことを進めていきますね」
「そうであるべきよ」
「そうだな、だがだ」
 神威は腕を組んで述べた。
「封真に言われた通りにな」
「小鳥さんにはですね」
「決してだ」
 何があってもとだ、護刃に述べた。
「言わないことだ」
「そうですね」
「何があったか俺も知らないが」
「言わないことにして」
「聞くこともな」
「しないことですね」
「そうしていこう」
「はい、封真さんも言われていますし」
 小鳥も封真を見て応えた。
「そうしましょう」
「絶対にな」
「はい、本当に」
「そうしてくれると有り難い」
 封真も言ってきた。
「くれぐれも頼む」
「そうする」
「実は小鳥は心臓が悪かったしな」
「あれっ、そうだったんですか」
 そう聞いてだ、空汰は少し驚いて応えた。
「あの娘心臓悪かったんですか」
「今は何ともないがな」
「そうだったんでっか」
「だから昔は激しい運動もだ」
 これもというのだ。
「出来なかった」
「そうだったんでっか」
「それがだ」 
 今ではというのだ。
「普通にだ」
「運動も出来ますか」
「そうなった、嬉しいことにな」
「何か儚い感じのする娘やけど」
「そういえばそうね」
 嵐は空汰の儚いという小鳥に対する表現に応えた。
「彼女はね」
「そうした人やな」
「私生活はしっかりしているけれど」
「何処か護りたくなるな」
「抱き締めたら粉々に壊れそうな」
「ガラスみたいにな」
「そうした人ね」
 こう言うのだった。
「確かにね」
「ほんまにそやな」
「だから何か」
「護りたくなるわ」
「そうだな、小鳥は抱き締めると壊れそうsだ」
 神威もこう言った。
「そして離してもな」
「その手を」
「今思うとどうなるかわからない」
「そんな気がするのね」
「ああ、俺は壊したくなくてだ」 
 嵐にやや俯いて話した。
「離れたが」
「今はなのね」
「どうなるかわからないと思ってな」
 実際にというのだ。
「それでだ」
「傍にいるのね」
「そうしている」
 実際にというのだ。
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