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第十七話 禁句その十一

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「地の龍には」
「あくまで憶測ですけど」
 空汰は右手を自分の頭の後ろにやって答えた。
「どうもです」
「いるか」
「そうみたいです」
「そして会った時はか」
「わい等の事情ですけど」
「戦ってか」
「命を奪うこともです」
 このこともというのだ。
「覚悟します」
「そうなのか、だが実際に悪人かどうかな」
 腕を組んでだ、封真は考える顔になって話した。
「見極めないとな」
「駄目ですね」
 嵐も応えた。
「そうですね」
「さもないとな」
「対応を間違えますね」
「そうなる」
 嵐にその通りだとだ、封真は答えた。
「まさにな」
「そやな、わい等の誰も会ったことないしな」
 空汰も封真のその言葉に頷いた。
「桜塚護には」
「それならだな」
「はい、実際に会ってです」
「話をしないとな」
「わかりませんわ」
 こう封真に答えた。
「ほんまに」
「そういうことだな」
「まあ会ったらです」 
 桜塚護と、とだ。空汰はそうなった時のことも話した。
「戦いになる可能性がめっちゃ高いですが」
「そうですね、何しろ地の龍の人ですし」
 護刃が応えて述べた。
「前にもです」
「わい等に仕掛けてきたしな」
「議事堂で」
「他の龍はまだ何もしてへんのにな」
「あの人だけはそうしてきましたし」
「そのことも考えるとな」
「あの人に会えば」
 その時はとだ、護刃は眉を曇らせて話した。
「他の地の龍の人達とよりもです」
「戦いになるわ」
「その可能性が高いですね」
「その筈や」
「戦いになればその時のことね」
 嵐は今も冷静だった、彼と会ってそうなった時のことを想定していても。
「あくまで戦うまでよ」
「それだけですか」
「そして戦いの中でね」
「あの人のことをですか」
「知るわ」
「そうされますか」
「そのうえでね」
 それでというのだ。
「私はそう考えているわ」
「そうですか」
「本当にね」
 嵐はさらに言った。
「戦いになってもね」
「それだけですか」
「ええ、ただ私も最初からね」
「あの人を悪人とはですか」
「決め付けていないわ」
「やっぱりあの時ですね」
「焼肉屋さんでお会いしてね」
 地の龍の者達と、というのだ。
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