第十七話 禁句その九
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「無闇にはね」
「そう考えているか」
「私はね」
「それも考えだな」
「そう言ってくれるのね」
「そうですね、諦めてくれたら」
地の龍達がとだ、護刃も言ってきた。
「それで、ですね」
「いいわね」
「はい」
嵐に対して答えた。
「私も無益な殺生はしたくないです」
「命を奪うことはね」
「命って大事ですから」
嵐に心から言った。
「ですから」
「出来る限りはね」
「したくないです」
「そしてするものでもないわ」
「そうですよね」
「無闇に命を奪えるなら」
そうであるならとだ、嵐は言い切った。
「もうそれはね」
「間違ってますね」
「人間じゃないわ」
嵐は言い切った。
「もうね」
「そう言っていいですね」
「ええ、そうなったら」
それこそというのだ。
「魔物よ」
「人間でなくて」
「姿形はそうであっても」
人間であってもというのだ。
「けれどね」
「それでもですね」
「心がね」
「人間でないので」
「だからね」
それでというのだ。
「そうした人はね」
「人間じゃないですか」
「最早ね」
「それな、何でもな」
空汰はどうかという顔になって嵐達に話した。
「わい等が地の龍の一人と睨んでるな」
「桜塚護ね」
「ああ、あの人はどうもな」
「そうした人ね」
「何でも人を傷付けて殺して何とも思わんな」
「魔物ね」
「それでな」
空汰は嵐にさらに話した。
「皇家のご当主さんともな」
「そうしたことでなの」
「因縁があったかってな」
その様にというのだ。
「思ってるわ」
「そうなのね」
「そうしたことでな」
「そういえば」
ここでだ、嵐は。
自分の顎に右手を当ててだ、ふと気付いた顔になってそのうえで言った。
「皇家のご当主にはお姉さんがおられたそうよ」
「ああ、そうらしいな」
空汰もそれはと応えた。
「何でも」
「そうらしいわね」
「双子でな」
「お二人共クランプ学園に通っておられて」
「そのお姉さんがお亡くなりになってな」
そうしてというのだ。
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