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第十七話 禁句その八

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「神威ともな」
「俺が地の龍になるとな」
「その時は戦うことになるさかい」
「俺は皆嫌いじゃないか」
「そやけどな」
「その時はか」
「戦う運命になるさかいな」
 だからだというのだ。
「その時はや」
「そうか」
「ああ、しゃあないわ」
 こう言うのだった。
「お互い悪い人間やないとわかってて」
「嫌いでなくともか」
「互いの立場によってな」
「戦うことになるか」
「そや、そうなってもな」
「仕方ないか」
「それが運命ってことでな」
 それでというのだ。
「しゃあないわ」
「そうか」
「お前の選択次第でな」
「そして俺が天の龍になっても」
「地の龍の人達とや」
「戦うしかないか」
「いや、わいかてな」
 空汰は神威にこうも言った、眉を顰めさせてそのうえでどうかという表情をそのままにして語るのだった。
「最初は地の龍が何人来てもな」
「倒すつもりだったか」
「けちょんけちょんにな」
 その様にというのだ。
「したるつもりやった」
「それがか」
「遊人さんに会って」
 最初に彼にというのだ。
「それからもな」
「地の龍に会ってか」
「悪い人等やないとわかってな」
 それでというのだ。
「今はそれでも戦わんとあかん」
「そう考えているか」
「そや、立場によってな」
 それ次第によってというのだ。
「戦うもんでな」
「戦うならか」
「人間の世界を為にな」
 それを守る為にというのだ。
「倒さなあかん」
「一人でも多くか」
「そや、それがや」
 まさにというのだ。
「わいの運命でな」
「戦うしかないか」
「出来たら一人でも多く命を奪わん」
「そう考えているか」
「ああ、倒してもな」
 そうしてもというのだ。
「決してや」
「命まではか」
「奪いたくないしな」
「覚悟ね。私は命を奪うこともね」
 嵐は冷静な顔で言った。
「厭わないつもりだったわ」
「だった、か」
「今は出来るなら」
「そこまではか」
「しないに越したことはないとね」
 神威に対して話した。
「考えているわ」
「そうか」
「ええ、戦いだから倒すけれど」
 それでもというのだ。
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