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バスの中で我慢
第一章

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                バスの中で我慢
 今桜木ゆみり、茶色にした髪の毛をショートにしていて明るい顔立ちで小さな顔と大きな胸を持つ一六〇位の背の彼女は顔を青くさせていた。
 そしてだ、隣の席の花田雪黒髪を長く伸ばし大きな垂れ目で細く長い眉と大き目の丸い鼻を持つ長身でゆみり以上の胸を持つ彼女に言った。
「次のドライブインまであと少しよね」
「そうだけれどどうしたのよ」
「いや、ちょっとね」
 非常に苦しそうな顔で言うのだった、バスの中でそうしている。バスの中は二人が通っている高校の制服姿の面々で一杯である。
「何ていうか」
「おトイレね」
「行きたくてね」
「ああ、それは大変ね」
「さっきコーヒー飲んだら」
「コーヒーはね」
 雪もそれはと頷いた。
「すぐに来るからね」
「失敗したわ」
「あと少しだから」 
 雪はゆみりを励ます様にこう声をかけた。
「耐えてね」
「そうするわね」
「ええ、しかしあんたコーヒー好きよね」
「それで前のドライブインで飲んだら」
「来たのね」
「ええ、辛いわ」
 ゆみりはその青くなり苦悶に満ちた顔で応えた、バスが進む高速道路の周りの景色もクラスメイト達の様子も今は目に入っていない、そんな余裕はなかった。
「正直言ってね」
「けれどね」
「ええ、わかってるわよ」
「今はね」
「戦うわ」
 こう言って一人孤独な闘いを行っていった、そして何度も来る波に必死に耐えた。その闘いは彼女にとって非常に長いものだったが。
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