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Fate/WizarDragonknight
攫われたハルト
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のそれ。
 狂三の傍に出現したその中心からは、黒い手が出現する。

「あれは……!」
「ハルトさん!」

 中指に指輪を嵌め込んだ手。明らかにウィザードのものである手。
 そしてその手は、きっとコネクトの魔法でここに繋がったのだろう。
 ウィザードの手は、真っ直ぐ狂三が持つウィザーソードガンを掴み、彼女の手から取り上げ、魔法陣の奥へ引き込んでいった。

「ま、待って! ハルトさん!」

 叫んでももう遅い。
 ウィザーソードガンを奪っていった魔法陣は、そのまま消失。その空間には、もう何も残っていなかった。

「コネクト……それに、ウィザードの手っていうことは、今はハルトさん、戦っているんだ!」
「そうなりますわね」

 冷淡に頷く狂三。
 カードデッキを外し、龍騎の変身を解除した真司も、青ざめた表情で可奈美を見下ろした。

「なあ、ハルトは今どこにいるんだ? そもそもアイツ、今日シフトじゃないのか?」
「探さなきゃ!」

 店を飛び出した可奈美。だが、その前に、影を伝って回り込んだ狂三が割り込む。

「まあまあお待ちになって、可奈美さん。どこを探すおつもりですか?」
「どこって……とにかく、片っ端から!」

 可奈美は狂三を押しのけようとする。だが、狂三は可奈美の腕を掴み、そのまま地面に押し付けた。

「うわっ!」
「お待ちになってと言っているじゃないですか。刀も持たないあなたに、一体何ができますの?」
「……!」
「可奈美ちゃん!」

 真司も遅れて駆け寄る。
 だが、それ以上の接近を狂三は許さない。手にした長い銃を、生身の真司に突き付ける。

「……っ!」
「動かないでくださいまし、ライダー」

 言われた通り、真司は体を硬直させた。

「あらあらあら……さて、いかがいたしましょうか」

 その時。
 ハルトの使い魔___ガルーダが、狂三へ体当たりを続けてくる。
 突然の小さな乱入者にペースを乱された狂三は、そのまま可奈美から離れる。

「何なんですのこれは!?」
「ガルちゃん!」

 ガルーダは可奈美の姿を認めると、すぐに可奈美にすり寄って来た。

「どうしたの? もしかして、こんな時にファントム!?」

 可奈美の声に、ガルーダは首を振る。
 さらに、続けてクラーケンもガルーダに追随する。可奈美と真司の前でガルーダと並び、狂三に対峙している。

「ガルちゃんに、クラちゃん……!」
「あら……あらあら、きひひっ!」

 狂三は二体のプラモンスターを見て笑い出す。

「そういえば、その二匹もいましたわね、ウィザードが攫われた時に」
「!?」
「攫われたって……ハルトがか!?」

 その事実に、真司が目を白黒させている。
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