第一章
[2]次話
一気に客が増えたラーメン屋
札幌はラーメン屋が多い、名物だけあって。
その中の一店の札幌一番の店長である名倉京太郎穏やかな顔立ちで黒髪を短くしている長方形の顔で一七二位の痩せた身体である彼は営業時間の後でアルバイトの大学生佐藤卯夫長身で逞しい身体つきに岩の様な身体で角刈りの彼に言った。
「繁盛していないけれど赤字でもないな、うちは」
「ずっとこうですか?」
「ああ、昭和三十年代に祖父ちゃんがはじめてな」
店をというのだ。
「それからな」
「ずっとこうですか」
「味は磨いてるつもりだよ」
祖父の頃からというのだ。
「けれどな」
「ずっとこんな調子ですか」
「儲かってないけれどな」
「赤字でもない」
「佐藤君雇う位は出来てるよ」
アルバイトをというのだ。
「けれどな」
「それでもですか」
「こんなのだよ、祖父ちゃんも親父もな」
「お二人の代からですか」
「ああ、札幌ってラーメン屋多いしな」
名物だけあってというのだ。
「競争も激しいしな」
「それで、ですね」
「観光客の人達もな」
「時々入ってくれますけれど」
「それでもな」
「うちの店はずっとこうですね」
「ああ、まあ食えてるだけな」
前向きに考える様にしてこう言った。
「まだな」
「いいですか」
「腕を磨いていけばいいこともあるさ」
こうしたことを言ってだった。
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