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俺屍からネギま
俺の屍を越えてゆけ
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を残しては居るが、強い意志を目に宿し、刃こぼれした刀を弱々しく握りながら祈る様に最愛の父呼ぶ。


3人の兵は、
思い思いに一人の男を見る。


その中、皆が注目する中で壮年の男が前に出て来た。
その壮年の男こそ、当代の当主である。

「長かった…本当に長かった…。此処に来るまで、多くの者が死んでいった。朱点童子…お前を倒す為にだ。…………お前の身に何が有ったか…お前が何を見てきたか…それは今までお前が先祖たちに語って来た事で聞いて知っている。

お前に同情的な者もいたよ。朱点童子は、神と人の愛情と憎悪で産まれたのだと……。道が違ったら我ら一族が朱点童子となっていたとな…。



しかし、それでも俺はお前を斬る。一族の為に…死んでいった人たちの為にな。



さらばだ………黄川人(きつと)…………。

今度会ったら…皆で酒でものもう。

いつか…きっと…… 」


黄川人………それはかつて朱点童子になる前に名乗っていた名前だった。


産んでくれた母が…

育ててくれた人間が…

助けてくれた神が…


大好きだった姉が…


呼んでくれた名前だった。

(ふふっ…そうだね、約束だ。…いつかきっと……

また会えるよね…。姉さん…。)

満足そうな微笑みを浮かべながら、了承したかの様に相手を見つめる阿修羅……



両手で刀をしっかりと握り、頭上まで振り上げ…阿修羅を見つめる…

「ここで一族と朱点童子の因縁を………断ち切る!!」


多くの者達の思いを受け…振り下ろされた刀は……

阿修羅を叩き切った。






ここに、一族の宿願は果たされた。






しかし此れからも一族は闘い続ける。

確かに短命の呪いは消えた、此れからは普通の人と同じ様に成長する事が出来る。

確かに種絶の呪いは消えた、此れからは人間との間に子を儲ける事が出来る様になった。




だが、

朱点童子は居なくなっても鬼や妖が居なくなった訳ではない。

荒れた京の都も一族の尽力により復興してきてはいるが、以前程の栄華ではない。




魔を払い、街を復興させる。

そこに魔が有る限り、魔より悲しむ人がいる限り……彼らは闘い続ける。



鬼の子、呪われし一族、鬼の一族と云われ畏れられた一族



その名は “御陵(みささぎ)一族”





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

時は遡り、

一族の館にて、

いつもは賑やかさのある館も今日は、静けさが漂っていた。

寝室よりもやや広いある部屋に、館お住人は集まっていた。



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