第二章
[8]前話
結婚式の後のことも考え無駄遣いも出来ないと思っていた、だが。
ある日だ、弓子は高橋に言った。
「私達八条グループの社員だから」
「それがどうかしたのかな」
「いや、グループの中に八条ブライダルってあって」
この名前の企業がというのだ。
「結婚式場もあって式自体もね」
「やってくれるんだ」
「それでグループの社員さんと家族なら」
それならというのだ。
「サービスしてくれるから」
「そんなことがあるなら」
「そちらでやってもらう？」
「それじゃあ」
高橋も頷いた、そうしてだった。
二人は結婚式を八条グループ内の企業である八条ブライダルで行った、すると様々なサービスや割引もしてもらってだった。
式は他の式場で行うより遥かに安く済んでだった。
式が終わってだ、高橋は自分の妻になった弓子に言った。
「かなり安く済んでよかったよ」
「サービスもしてもらってね」
「式場自体もよかったし」
「八条ブライダルにしてよかったわね」
「うん、しかし結婚式は」
高橋はあらためて言った、式が終わった後でほっとしている中で。
「本当にね」
「お金がかかるわね」
「そうだね」
こう言うのだった。
「そのことを実感したよ」
「私もよ、一回するのはいいけれど」
「二回はね」
「しない様にね」
「これから一緒にやっていこう」
「そうしましょう」
こう話してだった。
式を終えた二人は夫婦仲そして家族仲に存分に気を使って暮らしていった、そしてどちらも結婚式の二回目は行うことなく共に生きていった。
結婚式の予算 完
２０２３・５・１８
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