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星河の覇皇
第八十三部第五章 謎の兵器の正体その四十五

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「それを」
「しかし日本におられた時は」
「はい、日本の国益をです」
「考えておられましたね」
「そのことも肯定します」
「そうですね、確かに私も」
 議員も自分で言った、今は酒ではなく茶を飲みそのうえで言う。
「中央政府にいれば」
「中央政府の方としてですね」
「連合全体のことを考えます」
「それが連合ですね」
「はい、それぞれの所属している立場で全力を尽くす」
「日本にいれば日本の国益を追求し」
 そしてというのだ。
「中央政府にいればです」
「連合全体のことを考える」
「それが連合なので」
「長官は今はですね」
「中央政府国防長官としてです」
 まさにその立場でというのだ。
「連合全体のことを考えています」
「左様ですね、そして今もですか」
「申し上げています」
「そうですね、ではです」
 議員はここで一呼吸置いた、そうしてから八条に問うた。
「若し長官が前職の」
「日本の防衛大臣ならですか」
「私の言うことにどう思われていましたか」
「貴方と同じ考えです」 
 八条は議員に笑って答えた。
「日本軍の増強をです」
「主張されていましたか」
「はい、そして」
 そのうえでというのだ。
「動いていました」
「やはりそうですね」
「中央政府の主張が今の私と同じものでも」
「日本政府としてはですね」
「そうなっていました」
「矛盾していますね」
 八条は自分でこのことを指摘した。
「まさに」
「同じ人間でも立場が違うと意見が違う」
「そのことは、ですが」
 それでもとだ、八条は議員に話した。彼もここで茶を飲むがその茶は醍醐や刺激の強いパイナップルにも合っているものだった。
「しかしです」
「それでもですね」
「中央政府と日本政府ではです」
「求める国益が違いますね」
「それぞれの国益を求めるのが政治家であり」
「今の様な考えもですね」
「当然です、連合はです」
 まさにというのだ。
「中央政府があり各国政府があり」
「そして各国もそれぞれの政府が存在している」
「そうなっていますから」
 だからだというのだ。
「私も今は中央政府の閣僚なので」
「ですから」
 それでというのだ。
「今はです」
「中央政府の閣僚として」
「考えて動いています」
「そういうことですね」
「今後はわかりませんが」
 実は八条が政治家でいられる時間は限られている、今の中央政府国防長官の仕事が終われは八条グループの総帥に就任することが決まっている。これは家を継ぐということでもあるので避けられないことなのだ。
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