第二章
[8]前話
「是非」
「そうですか。何とか仕事も見付かりましたし」
「そうなのですか」
「暫く施設にいさせてもらってです」
「働かれてですね」
「貯えが出来ましたら」
その時はというのだ。
「またです」
「ペットと一緒に暮らせるお部屋で、ですね」
「皆で暮らせます」
「それではそれまでの間は」
「はい、ご好意に甘えさせて頂きます」
マンに言ってだった。
ホーンと彼女の二人の息子それにリロは紹介してもらった施設に一家で移った。そうしてであった。
「そこでか」
「はい、今はです」
マンは先輩に答えた。
「過ごされています」
「そしてお金が貯まれば」
「またペットと暮らせるお部屋に入りまして」
「そこで暮らすんだね」
「そうなります」
こう先輩に話した。
「再び」
「そうか、よかったな」
「今はです」
マンは難しい顔で話した。
「苦しいですね」
「今のご時世はな」
「コロナの後は戦争と鳥インフルエンザで」
「インフレも進んでな」
「そんな状況で沢山の人が困っていて」
「リロみたいな子も出てるよ」
「そうですね、ですがそうした時こそ」
先輩に強い声で言うのだった。
「支え合って助け合って」
「やっていかないとな」
「かえって乗り越えられないですね」
「ああ、優しさだけじゃ無理でもな」
世の中はとだ、先輩もマンに話した。
「優しさがないとな」
「駄目ですね」
「俺もそう思う、じゃあ今は耐えながらな」
「支え合って助け合って」
「生きもの達を助けていこう」
「そうしていきましょう」
マンは先輩に笑顔で頷いた、そしてだった。
活動を続けた、その中でリロが家族と共に新居に移ったと連絡を受けた、新しい家で過ごす彼女はホーンから送られたメールに添付られている動画の中でとても嬉しそうに一家と遊んでいた、もうそこには彼女だけで道を彷徨っていた時の悲しみはなかった。
苦しい時代の中で 完
2023・5・17
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