283 羨望心の芽生え
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
た。丁度かよ子も竜の全身を凍らせて撃退させた。
「私の竜が・・・!!」
竜を召喚した遊女が嘆いた。もう一度竜を召喚しようとした。しかし、かよ子は遊女本人を凍らせて凍え死にさせた。
「はっ、はっ・・・」
遊女の一人が消失した。一方の短刀を持った次郎長と交戦している遊女の短刀は次郎長の刀と匹敵する程の威力だった。次郎長は地面に刀を振るう地砕きで遊女を吹き飛ばされた。
「次郎長!!」
別の遊女を倒し終えたばかりのかよ子が加勢にかかる。かよ子の白魔術が発動される。オルガンの音色が響くと共に爆発が起きた。
「きゃあああ!!」
もう一人の遊女も爆発に巻き込まれて消失した。
「山田かよ子、藤木茂を追うぞ!」
「うん!」
かよ子と次郎長は羽根に乗って藤木を追い続けた。
法印大五郎、吉良の仁吉などその他の次郎長の子分達、のり子や椎名、関根などは紂王の屋敷の兵士や遊女達と交戦していた。その上空に何かが飛行しているのを確認した。
「あれは何だ!?」
「鳥!?」
それは鳳凰に乗って逃げる藤木だった。藤木は下を見下ろす。目が眩み怖かったが、多くの兵士や遊女が戦い、倒されていく様を見た。
(み、皆戦ってるのに僕だけこのまま逃げるなんて・・・)
あの時もまた自分は逃げただけだった。野良犬に襲われた時も自分の好きな女子だけを連れておっちょこちょいの女子を置いてきぼりにして逃げて卑怯者と呼ばれた。もっと自分に戦える力があればいいのにと思った。先程そのおっちょこちょいの女子が魔法の杖を駆使して遊女達を倒していくのを見た。自分だってあれだけ特別な力があれば、野良犬から逃げる事も今この場で多くの仲間を失う事もなかったのではなかったか。
(僕だって何か強くなれば、山田の杖みたいな道具があれば、妲己さんみたいになんか能力があれば・・・!!)
藤木は羨望心が強まっていった。その時、何かが飛んできた。その物体は爆発を起こした。
「う、うわああ!!」
藤木は乗っている鳳凰ごと爆発で吹き飛ばされた。
「な、何だ・・・!?」
「あれってもしかしてりえちゃんの友達が探してるって子?」
「そうかもね」
二人の女子がその場にいた。
「な、何だ君達は!?」
「りえちゃんはどこなの?」
「し、知らないよ!!」
藤木は鳳凰に乗ってまたその場を遠ざかろうとする。しかし、一人の女子がブーメランを投げた。そのブーメランが鳳凰に当たる。鳳凰が真っ二つにされた。
「う、うわああ!!」
藤木は鳳凰ごと落ちた。藤木は恐怖で走って逃げ出した。
ありと悠一、シャクシャインに景勝、兼続は妲己、紂王と対峙していた。杖の所有者による白魔術で攻撃不能とされていた為、あり達にとって絶好の機会だった。
「あの時、りえちゃんを取られたけど、今度は取り返さ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ