第168話
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能も何もない、銃器による戦いになる。」
異能に対してなら幻想殺しは最高に相性いい。
しかし拳銃などの近代兵器は、最高に相性が悪い。
武装無能力集団となると喧嘩慣れしている。
上条一人では一対一でも苦戦する相手がいる可能性は高い。
それを分かっていながら、この事件は相性が悪いと分かっていてもこの男は。
「そんなの関係ないだろ。
俺も加われば捜査範囲は二倍になる。
美鈴さんを早く見つける事ができるかもしれない。」
「恐くないのか?」
「恐いに決まっている。
今も足が震えそうなのを我慢している。
でも、黙って見過ごす事もできない。
何より、一人じゃないからな。」
麻生は深いため息を吐く。
そして、上条を腰から持ち上げ、肩で担ぐ。
「えっ、恭介さん?」
「走るより、俺の能力で運んだ方が早い。
いいか?
絶対に右手で俺に触れるなよ。」
脚力を最大まで強化して、地面を蹴る。
そこら辺を走る車より早く移動しながら、断崖大学まで移動する。
車より速く走ったので、すぐに着く事ができた。
断崖大学の敷地に隣接している、メインとなる大学よりも、目的地であるデータベースセンターの方が二回りぐらい大きかった。
ドーム状のシルエットの中から、今も散発的な銃声や破壊音が聞こえてくる。
最初に大きな爆発があったせいか、結構な数の野次馬がきていた。
それに反して、警備員の数が少ない。
何かトラブルでもあったのか、警備員同士でほとんど口論になりかけている。
「潜入するのには好都合だな。」
「だな。」
肩から上条をおろし、その横を二人は駆け抜ける。
二人が駆け抜けるのを見た、警備員の制止の声が聞こえたが無視する。
上条は武装無能力集団の狙撃を恐れたが、中の捜索で手一杯らしく、狙い撃ちされる事はなかった。
ドアのガラスが全部砕けた正面入口へと突入する。
「当麻は美鈴の捜索を。
俺は出来る限り派手に動いて、敵の注意を引き付ける。」
「分かった。」
すると、どこから持ってきたのか麻生の手には二丁の拳銃が握られていた。
その銃はベレッタM92FS Inoxのカスタム品である。
バレルを6インチに延長し、象牙製のグリップに髑髏と2本のカトラスを埋め込んである。
いきなり物騒な装備を見て、上条は目を見開く。
「能力は使わないのかよ?」
「派手に能力を使えば、奴らは捜索に力を注ぐ。
相手に倒せそうな装備と戦力を見せつける事で、迎撃に人員を割かせる。
銃、使うか?」
一瞬、持っておこうかなと思った上条だが。
「やめておく。
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