第168話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
も作れる。
面倒臭がり屋なので、凝った料理は作らないが。
フライパンにオリーブオイルを引いて、厚切りベーコンを一口サイズに斬り、入れる。
これから炒めようと思った時、再び携帯が震えはじめた。
美琴か?、と思って画面を見ると美琴ではなかった。
小さな画面には、ついさぅき登録したばかりの番号、御坂美鈴の番号だ。
あの酔っぱらいのテンションで電話されると、非常に面倒だなと思いながら通話ボタンを押す。
どうでもいい要件なら、適当にあしらって切るつもりだ。
「何だ?」
思いっきり不機嫌そうな声で答える。
しかし、美鈴からはさっき会ったようなハイなテンションではなかった。
「あ、あはは。
元気、麻生くん?」
「うん?」
どこか緊張に耐えているようなそんな声。
とてつもないプレッシャーを感じ、それを会話で誤魔化しているようなそんな感じに聞き取れた。
「何かあったのか?」
「ちょっとね。
断崖大学のデータベースセンターに着いたまでは良かったんだけどね。
いきなり、爆発音が聞こえて照明も落ちて、バタバタと足音も聞こえて。」
これをちょっとの事ではない事は間違いなかった。
フライパンを熱していた火を止めて、美鈴の声に集中する。
「何だか中高生くらいの少年達に狙われているみたいなの。
それも金属音とか察するに、拳銃とか持っているかも。」
(爆発音に拳銃に中高年。
武装無能力集団の可能性が高いな。)
エプロンを脱いで、そのまま玄関に向かう。
桔梗と制理は不思議そうな顔をして、麻生を見ていたが無視する。
自分の靴を拾い、またリビングに向かう。
「美琴は呼ばないのか?
あいつが居れば、すぐに片が付くが。」
「それは駄目!
戦力になるとかそういう問題じゃない。
私の問題にあの子を巻きこんだら、その時点で私はもうあの子に顔を合わせられないわ!!」
「それでアンタが死んだら元も子もない気がするが。」
最後の言葉だけは美鈴に聞こえないように小声で言う。
親としてのプライドがあるのだろう。
自分が危険とはいえ、娘が強いからと言って巻き込んでいい理由にはならない。
まさに親の鏡だな、と少しだけ感心しながら、窓を開ける。
「今、アンタはどこにいる?」
「え?・・・・『サブ演算装置保管庫』って所だけど。」
「ならそこを動くなよ。
もし武装無能力集団がそこに入ってきてもだ。
俺が助けに向かうから待ってろ。」
「待っ・・・君にそこまで頼んでいない!
この緊張が少しでも和らげばって思って・・・」
「状況を知った上で、放っておいて死なれたら目覚めが悪い。
もう一度言うがそこで待っ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ